劇場公開日 2015年7月11日

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「商業的な成功を確実に見込める優等生的作品」バケモノの子 morikenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5商業的な成功を確実に見込める優等生的作品

2015年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

 作品のクオリティが非常に高く、商業的な成功を確実に見込める優等生的作品だと感じました。

 九太と熊徹を中心とする登場人物たちが強い意志を持って行動していく姿には勇気づけられました。アクションの迫力にも圧倒されました。ストーリーは後半からあらぬ方向へ怒涛のごとく転がっていき、笑いあり、涙あり、青春ありで最後まで目の離せないすばらしい作品でした。雰囲気がポジティブで、元気が出ます。

 ただ、少々お話を詰め込めすぎている感があり、多少説明不足なのは否めないです。周りの登場人物一人一人がもっと掘り下げられていればな...とも感じました。
 また、後味が薄いというか、情念がないというか...てんこ盛りの内容のはずなのに、なぜか印象に残りにくい作品であることも事実です。渋天街という街しかり(いわゆる"異郷の町”的イメージを切り貼りした感じ)、登場人物しかり(チコってどこから湧いて出てきたの?とか)、私たちの好む要素のいいとこ取りであるがゆえに、どこか既視感を感じてしまいます。しかしそれは裏を返せば、全ての人が楽しめるエンターテイメント作品であると言うこともできるのかもしれません。

 さすが細田守だな...と強く思いました。

moriken