あんのレビュー・感想・評価
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優しく、甘すぎないちょうど良い甘さの映画だった。あんだけに。ハンセ...
優しく、甘すぎないちょうど良い甘さの映画だった。あんだけに。ハンセン病の部分も考えさせられつつ、生きることの大切さを教えられた。樹木希林さんまたもや最高でした。
久しぶりに。
最初から最後まで、目の離せない映画を観ました。 樹木希林さん扮する『徳さん』永瀬正敏さん扮する『店長』。映画だし演技だと分かってはいるけれど、 二人とも、役の人生を生きているかのようでした。 音の一つ一つ、画の一つ一つ、しぐさ、言葉、どこにも無駄なものがありませんでした。
レジェンドの揃い踏み
樹木希林と言えば富士フイルムのCM。 「綺麗な方はより綺麗に、そうでない方はそれなりに」 あの頃から、別に綺麗じゃないけどそれなりに見てしまう女優だった。 「日日是好日」を観てから、あの味のある演技をもっと観たい、というか「久しぶりに会ったおばあちゃんの話をもっと聞きたい」みたいな感覚で、配信サービスのAIに勧められるまま鑑賞。 主演の永瀬正敏にも久しぶりに会って、そういやこの元嫁も含めて今はどうしてるのかとか雑念が湧いたが、それをやはり凌駕していた樹木希林。今回はその役のバックボーンも相まって、彼女の軽さを感じる演技がより重く響く。 ハンセン病って知らない人も増えてる様な。学校の授業で少しやった覚えはあるけど、今でも教えてるのかな。 永瀬と樹木希林の孫が訪れた先に、 まさかの市原悦子。 そしてそのロケ地は東村山。 志村けんの出身地ですね。 郷愁を煽る要素が多すぎて、満足感半端ない。 桜が多く出てくるので、今観るには色んな意味で丁度良いです。 「あん」は中身。中身が大事。 みてくれなんてどうでもいい。 常日頃そう思う、中身の無い自分。
原作と
原作を読んで、ハンセン病資料館に行き、映画を観た。より深く作品世界に入り込むなら、原作をお薦めする。そもそも難しいテーマを扱っている長編小説を2時間の尺で収めるには取捨選択をせざるを得ない。原作では丁寧に描かれている経緯が、映画では所々省かれており、細切れのように場面が飛ぶ印象がある。 それでも映画の素晴らしいのは、それを補って余りある視覚情報である。舞い散る桜吹雪、香り立つようなあんの煮炊きの場面、療養園の風景は強く訴えかけてくる。樹木希林の演技に注目が集まるが、永瀬正敏の演技も素晴らしかった。あまり演技派という印象はないが、主人公の朴訥として、疲れ切り、どこか流れに流されてしまうところを見事に演じていた。個人的にはラストシーンは取ってつけたようで違和感を感じたが。 よい映画の時間だった。
生まれてきた意味。生きている意味。魂の浄化。
心の中に巣くう恐怖。 感染病に対する、手っ取り早い処置・隔離。 特効薬が開発される前まで死病だった結核。 赤痢・コレラ・天然痘…。 身近に感染者が確認されれば、保健所に呼び出され、検査させられ、感染し、他への感染可能性があるとなれば、隔離され、関わる場所が消毒される。 インフルエンザ他でも、出席停止・出勤停止となり、”家”に隔離されて、感染拡大を防ぐ。 感染方法が明確になる前のエイズ・HIV。 そして、今コロナ・ウィルス…。 命を守りたい。死への恐怖が、行動を激化させる。 加えて、ハンセン病は、身体の変化がその恐怖に油を注ぐ。 そんな、種の保存として当たり前の思いと、 人として生きることへの思い、 そしてこれだけ皆がググって情報を得られる時代にも関わらずの無知・偏見 がベースとなって、物語が展開していく。 ある事情から、強制的に生き方を定められてしまった徳江さん。 ある事情から、自分で自分を籠の中に押し込めている千太郎。 ある事情から、”自由”なはずなのに、”自由”になりきれないワカナ。 この3人がより糸のようによりあって、物語が進む。 亡くした自分の子を千太郎に投影する徳江さん。 亡くした母を徳江さんに投影する千太郎。 失くしかけている家族を、徳江さんと仙太郎に見出しているワカナ。 本人たちも自覚していないふんわりとした疑似家族。 人生は悪いこと、思いもよらぬこと、思い通りにならぬことだらけ。 生まれてくる家族も選べないし、罹患する病も選べないし(生活習慣病を除く)、良かれと思ってしたことが仇になることもある。 それでも時折、遭遇する楽しいこと・すてきなこと。 手間暇かけて、面倒な積み重ねの果てに作り出せる美味しい時。 はまってしまった環境の中での、それぞれの思い・ふるまい・日々の生活。 そんな営みを、世間の人はわかってくれなくても、お天道様が、お月様が、木々が、風が、畑からのお客様(農作物)が見ていてくれる。 徳江さんの作るあんのようになれればいいけれど、何にもなれなくっても、そこにいるだけでいい。 映画は、確かにハンセン病患者を扱ったものだけれど、 それよりも、千太郎のいら立ち・号泣とともに、魂が洗われていくような気になってくる。 これだけでも、号泣なのに、 市原悦子さんが出てきただけで、さらに涙が出てきた。 二大女優の競演。 もっと見ていたかった。 合掌。 原作未読。
人生、いろいろね
言葉や樹々のざわめきや鳥の鳴き声、全てから存在感を感じて、とても静かでおだやかな映画なのにどんな賑やかな映画より満足感を得られました。
「ねぇてんちょさん、私達はこの世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすればなにかになれなくても、私達は、私達には生きる意味があるのよ。」
徳江さんの色々から、てんちょさんやワカナちゃんやマービーが救われたように、立派ななにかにならなくてはいけない、と思い込んで日々もがいて、なににもなれず籠の中にいた私もちょっぴり救われてしまった。
あん、はてんちょさんで、ワカナちゃんで、徳江さんで、私達、なのかなあ。
たくさん映画を観ていて、時々、この映画は心がなくなりそうな時、繰り返し繰り返し観たいと思う映画に出会うのですがこの映画はそのひとつになりました。
徳江さんに出会えてよかった。
樹木希林さんの小さな動きやことばの発し方、涙の流し方まで全てがだいすき。
あれほんとに演技なのか、、?とあとで思い出したらなんか笑っちゃう。
この映画を観て樹木希林さんの大ファンになりました。
もうこんな素晴らしい女優さんがこの世にいないのかと思うと寂しいなあ。万引き家族、日日是好日の希林さんもとてもすきでした。
徳江さんの「がんばりなさいよぉ〜」が耳にずっと残っていてうれしい。
この映画に20代半ばで出会えてよかった。
今出会えてよかったなあ。
人としての生き方。
先日テレビで映画「あん」の放送がありました。 ゆっくり1人の時間に観ようと録画をし今日ひとりで見ていました。 人と人との繋がりが 善きも悪きも影響し いろいろな人間模様が見れました。 偏見という人の見方により 無意識のうちに 傷つけ傷つけられたり 喜びや悲しみの深さを感じました。 樹木希林さんの想いがとても強く感じました。 共演されているお孫さんの表情がとても愛溢れていて 心配そうに演じるのが 真実の愛を感じました。 お亡くなりになり 樹木希林さんの存在がとてもとても強く感じました。 病気と闘いながら 生と死 を演じる姿は これからも映像や残された声、言葉により 蘇ってきます。 小さい頃に見たドラマの「ジューリー」がとても懐かしく思えます。 樹木希林様 感動をありがとうございました。
本当に温まる映画でした。大好きです。映画館で観たかった。 状況は違...
本当に温まる映画でした。大好きです。映画館で観たかった。 状況は違えど、それぞれがカゴの中のカナリアのようにとらわれてきた人たち。樹木希林さん演じる徳江さんもその一人でしたが、カゴから出てきてやりたいことをやるように。その過程で、主人公たちのその閉じた心を柔らかくほぐしていってくれます。 全員の演技が本当に素晴らしかった。ストーリーのゆったりとしたテンポも心地よかったです。誰も怒鳴ったりしない映画って心臓に優しい・・。 ちょうど数日前、お正月に小豆を炊いたところでした。たまにしか作らないこともあり、なかなか満足な仕上がりにはならないのですが、この映画を見て、そうか小豆の声を聞くのか、とはっとしました。次はもっと気持ちを込めて作ってみたい。でもほんと、乾燥した状態のあずきの一粒って、ツヤツヤしていて美しく、いつもうっとりします。
見てよかった
ここ数年の樹木希林が苦手というか、距離を持っていたいのだけれど、「万引き家族」同様、見てよかった、永瀬はいつも良く、この映画でも本当に本当に素晴らしかった。樹木希林の表情、台詞、ことばからは目と耳を離すことができなかった。美味しいあんこ(大きいおはぎだったな)、ご飯を色々作ってくれた自分の祖母を思い出すこともできた。ありがとう。
すごい映画でした
樹木希林さんと市原悦子さんが共演。 誰もが色々と重いもの背負ってるんだよね。 来たよ、ぐっと。心に。 生きる意味とは。 生きる希望はどこにある。 明日からまた頑張ろうっと。 一日一日を大切にしようっと。 嗚呼、たまらん。 ごめんなさい と ありがとう を、誰かに言いたくなった。
樹木さんは満点
これね、ずるいと思うんですよ。 この映画をダメだって言っちゃうと、人間性を疑われそうっていうか。 言ってしまえば映画として「あんこ」は割とどうでも良くって、 ハンセン病患者が受けた差別を描いてるっていうね。 そりゃ不当な差別なんだから問題ですよ。間違いなく大きな問題です。 でもね、こういう演出っていうか描き方をしてしまうと、 単なるお涙頂戴になってないか?と。 「ほら、ここ泣くとこですよ。」「こんなにかわいそうですよ。」 後半の至るところでそういう押し付けがましさを感じてしまって 全く素直に感動できなかった。 樹木さんの演技だけは満点。 「老い」の切なさを表現させたらこの人に並ぶ人っていないんじゃないかな。
隔離からの解放
本編を見るまでは、どら焼き屋さんの話かと思っていました。ところが、それだけではなく差別→偏見→隔離
そして、解放というかなり濃い内容でした。
ハンセン病患者はお墓を作ることも許されない、衝撃の内容でした。酷いかも知れないけど、浅田美代子のような反応が世間の代表なのでしょうね。
料理人を目指していたが、レストランでの修行が辛くて逃げ出した甥っ子の為に店を改装してお好み焼きとどら焼き屋にしようと提案したり、身内には甘々なのに、障害を持った他人には冷たい。
コレが世間の普通の対応かと寂しくなりました。
あえて今取り上げなければならない題材でしょうか。私はむしろこうして...
あえて今取り上げなければならない題材でしょうか。私はむしろこうして取り上げることで差別意識を生むマイナス面が気になってしまいました。ストーリー展開のために利用しているように感じられて、私個人的には少し抵抗感がありました。
五感に訴える映画
どら焼きの香りとか、 陽の当たる暖かさとか、 風の吹き抜ける感じとか、 あんや道具の重みとか、 徳江さんの体温とか。 そういうのが感じられて心地よい。 ただ生きてるだけでも意味はあるし、 やりたいことをやらなきゃね。 徳江さんに教えてもらい、 店長さんみたく前向いて生きたい。
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