あんのレビュー・感想・評価
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手間はまめへのおもてなし
らい病への差別の問題がテーマかと思いきや、やり残したことはありませんか?って、そういうこと?時給は600円でも300円でも200円でも、どうでもいいんです。店長の目が悲しかったから、寄り添っていたかった。空気感で泣かせる作品。
風と光
ハンセン病を知らなかった 自分を恥じました。 樹木希林さんの、自然体の演技、 くすぐるような笑い、 さすがのコメディエンヌですね。 永瀬さんはダメ男やらせたら最高。 風、光、雨、桜、月、季節の風景が ストーリーを物語る、 美しい映画でした。
恐怖からくる偏見。生きるということを考えました。 樹木希林さん、永...
恐怖からくる偏見。生きるということを考えました。 樹木希林さん、永瀬正敏さんの演技は素晴らしく、映画内に流れる音に心揺さぶられました。 知らないことが人を傷つけることもある。自分がきちんと判断できる大人になりたいと思うとともに、子供たちにも、自分で判断できるような気持ち、知識がある子に育って欲しい。
友人の勧めで鑑賞。席は年配の方が多かった。どら焼き屋に樹木希林、冒...
友人の勧めで鑑賞。席は年配の方が多かった。どら焼き屋に樹木希林、冒頭はそのコミカルな演出に微笑ましさも覚えたがいつしかハンセン病のために自由に生きられなかった人達に、登場人物たちの生き様がオーバーラップして絶妙の間の人間ドラマが展開されます。河瀬作品は初めてだったがその力量を多いに感じることができる素晴らしい作品だった。
樹木希林
樹木希林はどんな役でおいても、樹木希林らしさが消えず自然体。 しかし、ハンセン病を患いながらも、明るく過ごす徳江さんを見事に演じている。 樹木希林を通して、変わりゆく周りの人物の変化が見もの。 ハンセン病への差別、誤った認識から苦しんできた当事者がたくさんいるだろう。 この映画から障害に向き合いながら一生懸命にいきたひとのことを考えるきっかけとなれば…。
店長さん
樹木希林さん演じる徳江さんが永瀬さんに何度も「店長さん」と語りかける。その「店長さん」が非常に印象的。人を追い込むのも人。人を前に進ませるのも人。あったかい人と人との命の触れ合いを感じて何度も泣きました。
丁寧な、丁寧な作品です。
樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、みんな素晴らしい。特に永瀬正敏はこれまでで一番良いのではなかろうか。河瀬直美監督の叙情的な映像もとても美しく、その後に直ぐ現実世界に引き戻す作りは素晴らしかった。「あん」作りのように生きることを丁寧に丁寧に描かれていた気がしました。素晴らしい作品です。
前向きになれる映画
「どら焼き屋の話」ということだけを頭に入れて試写会に行きました。映画を観て、人前でこんなに泣いたのは初めて!というくらい号泣してしまいました。ストーリーに引き込まれて、監督の映す自然の美しさ、儚さにも引き込まれて、劇場を離れたあとも、ふと何かのはずみで涙がこぼれそうになります。悲しいストーリーではなく、前向きに生きていこうと思える映画。リピートして観に行っています。私は30歳です。世代層がいつもかなり高めですが、もっともっと若い子にも観て欲しいと思います。
おいしい時は、笑うのよ
河瀬監督は、ストーリーや登場人物の心情を、日常風景や季節に重ねるのが上手いですね。朝、夕方、桜、落ち葉も違って見えます。誰に、どの出来事に感情移入できるかで、見方も違うと思います。病気をした事も、捕まった事もない私は、甥っ子を連れてきたあたりがいちばんやられたかな。kanoと今作で今年の男優賞は決まりです!
桜とどら焼。
改めて『ハンセン病』についてWikiで調べました。 今では治療により治癒する病気ですが、映画でも語られていましたが治療法が見つかる以前の患者さん達はそれは、過酷な日々を過ごした様ですね… そんな人達だからこそ今、幸せになって欲しいと願わずにはいられません。 しかし実際問題、家族・親戚からも円遠く、映画の様な無理解な差別、そして高齢化も重なりこの方達の人生を考えると胸がしめつけられる思いがします。 そんな題材に取組んだ樹木希林さんには作品を観るたびに教えられる事が多く意味深い作品。 描き方のスケールが映画と言うより、少しTVぽい気がした所が残念。 作品とはうらはらに…(~_~;) 新宿、武蔵野館恐るべしマナーの悪いおばちゃん多し。
静かに、静かに、余計なことは語らずに。
河瀬監督らしい映画。 鳥の鳴き声、擦れる葉音、車のクラクション、人々の喧騒、、、すべての生活音があふれている。台本にある台詞というよりは、会話のようなしゃべり。顔の脂汗がレンズにつくぞってくらいにアップの多用。風景に変な色も付けず、曇天でもいとわない。そして、ここぞというとき以外は一切音楽を使わないから、ぐっと心を持っていかれる。 樹木希林扮する徳江は、これ見よがしに苦節を語らず控えめな態度で笑顔を絶やさない。それでいて、人の邪魔をしないような心配りができている。 そして、「自由っていいものよ。あなたたちも好きなことをしなさいよ。(たしかこんなセリフ)」という言葉をいう彼女。囲いの中で50年も生きてきた彼女だと思うからこそ、そのささやかな笑顔に隠された本当の強い本音がこちらに伝わってきてとめどなく涙があふれてくるのだ。自分の人生が変わってしまったのと同じ年頃の少女たちを見つめながら笑ってそういう彼女を見ながら、涙があふれてくるのだ、たまらなく。 「カナリア」に擬された彼女の人生。この笑顔を得るまで、この人がどれだけの人生を生きてきたのか想像するだけで胸が詰まって仕方がない。だからこそ、徳江のしぐさひとつひとつを見つめているだけで、悲しい場面でもなくても、涙腺が緩みっぱなし。 千太郎もワカナも、その生き様に心が震えるは当然だろう。 終わり方もいい。特段何を成功したでもなく、少なくとも、「生きていこう」と強く心に決めた千太郎が愛おしい。 脳裏に残る千太郎の「どら焼き、いかがですか!」。ああまた泣けてきた。
鳥かごのカナリア。
河瀬監督の話題の映画を鑑賞しました。登場人物の関係等細かい説明等あまりない。でも、互いの会話や表情などで過去から今の背景など鑑賞しているこちらが想像出来るように演習されてます。樹木希林さんの実のお孫さんのもっている鳥かごのカナリア。これに物語が集約されてるような気がしました。もちろん、餡子をつくる映像と音。桜。晩秋を想わせる街の風情など!映像も美しく、その辺りも見処でもありましょう。 鳥かごのカナリア。いろんなルールや世間体や国の決めた法律等いろんなものに縛られて私たちは、今生きています。でも、どこかで折り合いつけて生きていかねばならない。そんな苦悩の中からでもヒントを見つける。そんなことを河瀬監督は言いたかったんでは?私はそう思います。 最後の永瀬さんのシーンは、まさに何か生きていくヒントを見つけたんだと思います。 いろいろあるけど、明日から頑張ろう。
◆良かった 樹希さんの語り、表情が良い。 あんこのふたを開くときの...
◆良かった
樹希さんの語り、表情が良い。
あんこのふたを開くときの仕草がやさしい。
あんという題名か、あんこの作り方を丁寧にしているところも。
私たちは聞くために生まれてきたのだから、
何もなせなくても生きている意味はあるのではないでしょうかという言葉が刺さります。
主題歌が良い…
◆気になった
ステレオタイプに自己中心的な恩人の奥さんに
なぜか頭の上がらない主人公にイライラしたのと
のこりもの貰うくらい貧乏なのに、ペット飼ってて外食で迷わず天ザル選ぶ中学生が気になった(そこはステレオタイプちゃうんかいと…)
囲いの中にいるのは
ハンセン氏病のために長く施設内に囲われていた人、過去の罪や借金や義理に囲われてしまっている人、必ずしも好ましいとは言えない家庭環境に囲われていると感じている中学生、そしてカゴに囲われているカナリア。いろんな囲われている人が出てきます。ハンセン氏病に対する偏見は許さないといった単純な映画ではなく、ほんとうはもっと自由なはずの人たちが自ら囲いを作っているのではないかと訴えているように思います。自分たちの自由な環境に感謝し、自分で制限をかけるんではなくもっと自由に生きようと、この映画は言っているように感じました。
今年度最高。樹木希林の代表作
河瀨直美監督の新作である。ハンセン病を扱った作品なのだが、そのことはつい最近になって知った。奈良(高の原)のイオンシネマではずいぶん前から予告編をやっていて、樹木希林さんがあんを作るシーンだけが淡々と写され、和菓子屋さんのドラマかなと思っていた。そのシーンが説得力のある画面で、出来上がるのを楽しみにしていた。川瀬監督の作品であることも最初の予告編では気づかなかった。なるほど早くからやるわけだ。(川瀬監督は奈良県の出身) 映画の前半は予告編通りのあん作りの物語だ。いい加減などら焼きを焼いている永瀬正敏のもとに樹木希林がふらりと訪れ、アルバイトをしたいという。あまりの高齢に、いったんは断る永瀬だったが、彼女のあんを一口食べて彼女を雇うことにする。そこからは予想通りの展開で、ふたりでおいしいあんを作り、店も繁盛しだすという物語だ。 そのあん作りの場面がていねいにていねいに撮られている。心を込めてあんを丁寧に作るのと同じように、映画もていねいに映し出している。 やがて、彼女がハンセン病を患ったことがあり、手に後遺症が残っていることが明らかになってくる。そして大家の浅田美代子が差別を恐れ口を出してくるのだが、ここからも予想通りの展開だ。いつしか客足が途絶え、樹木希林は永瀬の店を去る。 この後の映画を見ると、河瀨監督が並の映画作家ではないということがよくわかる。切々と差別や悲しみを訴えるようなことはしない。ただ淡々とその後の日常が描かれる。施設に帰って穏やかに暮らしている樹木希林。楽しかったアルバイトの日々を思い出す樹木希林の隣には友人の市原悦子がいて、「私も働きたかったな」とぼそっとつぶやく。詳しい説明も何もないが、その台詞だけで涙がこぼれる。 登場人物たちの背景が詳しく語られることはない。永瀬は前科があるらしいこと、浅田美代子に借金があること。それくらいだ。謎の中学生(樹木希林の孫の内田伽羅が演じている)は母親にネグレクトされているらしいことくらいしか情報がない。彼女と永瀬の関係も不明だ。樹木希林に関しても子どものころに発病して施設に入れられたこと。結婚や妊娠、強制中絶の経験があるらしいこと、がぽつりぽつりと語られる。 雄弁に多くを語り、背景を描きつくす作品もある中で、この河瀨作品では、本当に淡々と日常が描かれ、必要かつ十分な情報をその中に織り込み、無駄な部分をすべてそぎ落とした編集になっている。それでいて、一つ一つのシーンが、なんでもない短い台詞が3人の人物の細部をきちんと描くことにつながっている。その河瀨演出を支えているのが、この3人の演技力であることは間違いない。樹木希林は予告編の中で、「最後の映画のつもりで一生懸命演じました」と語っていたし、「KANO」でさらに演技力や存在感を増した永瀬正敏も抑えた演技で応える。新人の内田伽羅も新人とは思えない演技力だ。(河瀨監督の映画ではいつも素人や新人が活躍している) 2015年を代表する日本映画になることは間違いないし、樹木希林の代表作になることも間違いのない作品だろう。
樹木希林さんをこれからも観たいと思った
日本の映画らしく、きめ細やかな作品だった。
観ている間、何回もハンセン病について知りたい、調べたいと思った。
それくらい、詳しくは描かれていなかった。
しかし、あーだこーだ、直接的に差別の歴史をこの作品で語るのはナンセンスというか、野暮のような気がした。
徳江さんが、店長より早くに来て働くのを待ち構えていること、丁寧にあんを作る姿、中学生と語らうこと、楽しかったと言うことば。
徳江さんがどれほど筆舌に尽くしがたい生涯を生きてきたか、社会から断絶されてきたかなど感じ取れるかは観る側の感受性の問題と思った。
業務用の餡を使い、仕方なく雇われ店長をしていた千太郎が、おそらくオーナーを振り切って野外で販売するようになったのだろう、最後の声を出して売るシーンで、千太郎の心が自由になり、前向きに生きていくように描かれていて、涙が出た。
おそらく、逃がしたカナリアのように、千太郎は自由になったのだろう。徳江さんが中学生に、つまらないならつまるように行動したら、といったように変化を起こしたのだろう。
手紙のシーンは叫ぶ詩人の会、ドリアン助川らしいなー、と思う表現だった。
作品を見ていて、徳江さんに戦中、戦後をたくましく生きてきた亡き祖母の姿を重ねた。
樹木希林さんしかできない温かい人間性が滲み出た役どころだと思う。
癌を公表されているが、樹木希林さんをこれからももっと観たいと思うから、身体を大切にしつつ、映画にででほしいなあと思った。
世間は怖いが、作品は酷いぞ。
河瀬監督は素人を使う作品を多く制作するのに、今回は樹木希林の孫の み。 作品の前半は、どら焼き屋が繁盛していく過程を描くのが予想は出来る。 そして、後半は、えっっっっっっっ、徳江さんハンセン病だった?河瀬監 督様その展開は どうだろう?『砂の器』じゃあるまいし、私の頭の中で「宿命」が鳴り響 く。ハンセン病で 苦しんできた、世間から虐げられてきた方への描き方は、あの写真集1冊 のみで良かったの だろうか。ハンセン(ライ)病の方々はどう思われただろうか。ここは、 慎重に描くべき。 徳江さんが、毎朝5時来るというが、どうやって来るの?冒頭近く描いて いたようにまさか 施設から歩いてきているわけ?なぞの三つ編み中学生「ワカナ」の作品へ の登場に違和感もあった。 風景描写があまりにも多すぎる。人間の心情を投影しいているのだろう か。私には判りません でした。徳江が50年「餡」を作り続けたって何処で?どうして千太郎の所 に来たの?徳江の 千太郎への手紙の文章が上手すぎませんか。私は此処は号泣でしたが。 最後の場面、千太郎は「どら焼き売り」を何年続けるの?終りは、しっか り着地点を明確にして 欲しかった。 河瀬映画としては良かったですが、河瀬作品としては全然ダメ。
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