「一人だったらここまで出来ない。」サンドラの週末 puccinoさんの映画レビュー(感想・評価)
一人だったらここまで出来ない。
会社員です。給与も賞与も出て借金もなく生活は苦しくはないですが満足はしていません。今の生活の何に満足していないのか深く考えてみたら恥ずかしくなってきました。それは人から見ればただの贅沢ではないかと。鑑賞後そんなことを考えていました。
この映画を観て印象に残ったのはサンドラが今まで気づかなかった信じれる仲間がいたこと。それに気づけたこと。泣いてくれる仲間がいたこと。家族(旦那さん)も必死になってくれたこと。自分の意見が言えたこと。最後自分の意思で選んだこと。全てが私には羨ましく感じました。何もせずじっとしているだけでは何も変わらなくて、どんなに辛くて悲しくても今やれることは行動に移す。人からどう思われようが自分が切羽詰まって必死な姿を見せないと人の心は動かない。
休みの日に同僚の住所を調べて一人一人に突然会いに行って事情を話すなんてこと自分には到底出来ないです。しかもそこで初めて同僚達のプライベートに直面し現実の厳しさをさらに思い知らされる。そして同僚たちのサンドラに対する本音の素顔が露わになる。辛いです。
気を張って事情を話す時のサンドラの表情と、同僚達の対応次第で嬉しかったり辛かったりとその都度サンドラの精神状態の変化が観ていて気が気でならなかったです。それだけマリオン・コティヤールの弱々しくて覇気のない表情の変化がとても自然に入り込んでいて演技力を感じました。音楽が最後まで一切無いのも観る側に余計な感情を煽らせない、目の前の映像が全てだと言っているようでより一層サンドラの心情が身に堪えました。明日は我が身…
コメントする