「応援してる」サンドラの週末 natsumi.さんの映画レビュー(感想・評価)
応援してる
サンドラ、うつ病で療養していたのか。
映画を観終わってレビューを読むまで
気が付かなかった。
映画の構成は派手な演出や感情の激しいぶつかり合いなどなく
静かで、地味です。でも観れる。
まず思うのが、解雇を通知されて、しかもそれが同僚たちが
投票した結果であると知り、それでも自身の生活のためとはいえ
再投票の時に自分に投票してと説得して回れるのが凄い。
私なら、そのまま辞めて退職金貰って仕事探そうって思う。
ちゃんと仕事がある協力的な旦那さんがいて、
家のローンとかあるとは言ってたけど、凄く苦しい経済状況には見えなかったし。
そんな中、周りの助けを借りながらではあるものの、
うつ病である(だった?)サンドラが戦っていく様は
静かだけど、とても勇気のいることをしてたと思う。
もし投票で過半数を集めて職場に残ることになれば
他の同僚とは以前のようにはいかないはず。
それも覚悟で自分の主張を通すことを選択したんだから。
そして、サンドラが説得しに来た時の、
同僚たちの対応も、民度が高いフランス(この映画の中では)らしいと思った。
まず、サンドラに投票する。と約束した人は、
結果的にちゃんと投票していたし、
自分の生活があるからボーナスに投票するという人も
正直にそれを本人に言えていた。
日本人だとこうはいかない気がしてならない。。。
それぞれの公的生活事情を織り交ぜながらも、
ドロドロ・ギスギスした感じはそこまでなく、
あくまでそれぞれに生活があるからという感じ。
この距離感というか、他者との関わり方が良かった。
話はずれましたが、ラストで、サンドラが電話で
これから再スタートよって言って歩いてるのを観て
応援したくならない人はいないと思った。
仕事は失ったけど、何か大切で確かなものを
手に入れられたように終えるのが良かった。