劇場公開日 2015年8月8日

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「2015年版製作の意味も意義も十分にあったと感動しました 是非1967年版と2015年版の両方をご覧頂きたいと思います」日本のいちばん長い日 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.02015年版製作の意味も意義も十分にあったと感動しました 是非1967年版と2015年版の両方をご覧頂きたいと思います

2024年9月16日
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鑑賞方法:VOD

日本のいちばん長い日
この題名の映画はご存知の通り二つあります
一つは1967年の岡本喜八監督版と
2015年の原田眞人版の本作です

前者は日本映画オールタイムベストに必ずリストされる作品ですから多くの人が観てリスペクトされている作品です
日本映画のひとつの到達点、巨匠岡本喜八監督の代表作として必ず観るべき作品だと断言します

自分もその1967年版のもの凄さに圧倒されていましたから改めてリメイクする意味や意義が一体どこにあるのか?
1967年版のような仰ぎ見る名作に挑戦してどのような勝算があるのか?製作する意味や意義はあるのか?
と否定的な疑問だらけであって本作には観る以前からつい批判的な先入観がありました

結論からいうとそれは間違いでした
2015年版製作の意味も意義も十分にあったと感動しました
是非1967年版と2015年版の両方をご覧頂きたいと思います

1967年版と2015年版の大きな違いは何か?
まず当然ながらカラーです
1967年版が白黒だからと敬遠されては残念な題材です
そして、役所浩二、松坂桃李ら現代の人気俳優が出演していることです
顔立ちからして現代の日本と地続きのお話であると濃密に感じることができます
現代の日本人が演じからこそ、
同じことかまた起こりうると強く感じる効果を生んでいます
遠い昔、昔の話ではなく、同じ日本人の物語なのだと感じることができるのです
1967年版では主人公と言うものは特になく事実の羅列でしたが、2015年版では阿南陸相を主人公といて彼の心情やドラマを軸として展開されます

なのでより普通の映画としてより多くの人が観やすい映画になっています
時代考証、セット、美術、衣裳もレベルが高く、カメラ、照明といった撮影も良く当時の状況が現代の日本を一皮剥いたらこのようになるのだということをひしひしと感じるものになっています
それらが2015年版の本作製作の意味と意義だったのだと思いました
最後に青年将校の畑中少佐を演じた松坂桃李の狂気含んだ熱演に強く感銘を受けました
素晴らしい俳優です
願わくば日本のいちばん長い日がまた訪れる事が無いことを祈ります

あき240