「時代錯誤」日本のいちばん長い日 とぱーちさんの映画レビュー(感想・評価)
時代錯誤
昭和生まれとして観たい映画でした。
一番の違和感はやはり、昭和天皇を人間味たっぷりに描いている点。 そこだけは違うと思った。 第二に、東條英機の演出がいもすぎで感情移入ができなかっ
た。 僕の中で主演の役所広司がどうしても山本五十六のイメージが強すぎて、
阿南陸相のイメージ像をとらえられなかったのも残念だった。 前半は作り込んでいると感じたが、後半のクーデターのドタバタのシーン、例えば、松山ケンイチが出るシーンとかはわけがわからんかった。歴史のまさに変わるターニングポイントなのにあっさり描きすぎだし、庶民的な視点が欠落している。 三島由紀夫が玉音放送を不思議な感動を通り越した空白感と表現しているが、そこが全くこの映画では描かれていない。 僕はそこが観たかったのかもしれない。 終わりも映画自身が昇華しきれてない感じで尻切れ感がいらっとした。 主人公が死ぬ映画は死んだら終わりにしないとどこか、胡散臭さが漂う。 どこかに先人達の鎮魂歌の要素をさがしたが、全くない。映画としての残るものが少ない映画。
あまりおすすめはしない。
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