「実に日本的な分かりやすいドラマ」日本のいちばん長い日 アッサミーさんの映画レビュー(感想・評価)
実に日本的な分かりやすいドラマ
レビューを見るとある程度の予備知識がないとストーリーを追えないとの意見が多かったが、そうでもない。前半部と後半部に分かれてもなく、陸軍内部のクーデター計画遂行に向けて、その場の葛藤がよく出てました。改めて感じた事は、
1 天皇陛下はやはり、スーパースターなん だ。統帥権の総攬者であったし、今も日本国において絶対的な力があると思う。あの一言で、歴史が変わる、まさに黄門様ののこの印籠が目に入らぬか的な凄さです。
2 そして、国体の護持という概念、これは今日も生き続けている気がしました。諸外国、中国や韓国が拘るのも、結局、戦前と今は国体において変わってないじゃという事だろうと。
3 原田監督も書いてますが、これは実に家族のドラマ。マクロ的な題材を、家族の中に落とし込み、違和感があまり無いのは、実に日本的だと思いました。
4 この当たりからアメリカによる占領政策が日本の現代史のまるでブラックボックス。やはり、自決せず、生きて対米軍、対GHQをやっていれば、今の様にアメリカにこれほどまでに、なめられたマネはされなかったのでは。死んではいけない。
歴史家は、もうそろそろ、このあたりから、占領期に本当は何があったのかを、検証し、公にする責務があるのでは。
そういう意味では、二番煎じだが、今日的なタイミングで、こういう映画を公開する意味があると思う。
5 私が部分的なセリフだけど、一番、面白いなと、思ったのは、東条英機が陛下に奏上する時、サザエに日本を例えた所。殻がなければ、本体は生きられないと東条英機が言おうとすると、陛下は、トルーマンやスターリンは、サザエの中身も外側にも興味なく、サザエごと捨てるはずと、言われた所。国体とは、まさにサザエの殻の部分なんだと、そこがやはり、大事なんだ、東条英機的には。これは、集団や全体と個人との関係性の事で、この東条英機的な国体の概念は、今もキッチリ引き継がれていると思う。