怒りのレビュー・感想・評価
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再び、必見の作品。
監督・李相日×原作・吉田修一。
「悪人」で簡単に割り切れない人間の善悪に深く迫ったコンビが再び、人間の複雑な内面を深く描き出す。
またしても、力作!
李相日は今日本映画界で重厚な人間ドラマを描ける数少ない貴重な監督だ。
今作も年末の映画賞でノミネート常連となるだろう。
映画が描くもの、訴えるもの、伝えるものは観る側も受け止め切れないほど重い。
が、緊張感を維持したまま、各々が抱く感情、その人間ドラマの行く末から一時も目が離せない。
きっと映画賞選出者は誰を推すか相当頭を悩ますだろう。
主演クラスの実力派全員が、名演。
キャストクレジットでは渡辺謙がトップになっているが、若い7人が全員主役だ。
お飾りの役柄ではない宮崎あおいは近年ベストパフォーマンス、とあるシーンに果敢に挑んだ広瀬すずは女優として大きく一皮向けた。
大胆に絡み合った綾野剛と妻夫木聡。
重要な役所の森山未來、松山ケンイチ、綾野剛。
この3人の内一人がクライマックス、観る側に激しい嫌悪を抱かせるほどの本性を表し、その凄みは必見。
そして、唯一の新人、佐久本宝が印象を残す。
坂本龍一の音楽は格調高く、陰と陽の光差す映像は美しく。
また、沖縄が抱える問題もさりげなく。
ある殺人事件の容疑者に似ている3人の男。
彼らを愛した男たち、女たち。
それを受け入れるしか出来ない周囲の人々…。
千葉、東京、沖縄…3つのエピソードに繋がりは全く無い。
それ故殺人事件が物語の発端ではあるが、伏線張られ巧みに交錯する本格ミステリーの醍醐味も無い。
3つのエピソードの内一つが事件に関わるもので、後の二つははっきり言って間接的にも事件に関連無いが、無関係のエピソードが幾層にも重なり合って、人の業にこそ重みを置く。
“怒り”。
誰かに対してとか、不条理な社会へぶつけられたものではない。
いずれも向けられたのは自分に対して。
信じているのに、疑ってしまう…。
愛してるのに、信じる事が出来ない…。
自分ではどうする事も出来ない…。
このやるせない、苦しい、叫び出したい、怒り。
あなたに罪は無い、罪があるとすれば私。
どうかあなたに許しを乞いたい…。
怒りのその先にある救いに、静かに深く胸打たれた。
全くの余談になるが、
初レビュー作品は「悪人」。
同スタッフ、同テーマを兼ねて、同じレビュータイトルを付けさせて頂いた。
ずっしりと重い。。
凄いもの観てしまった
苦しくて悲しい
役者陣の体温が伝わる生々しくて生温くて後味がじっとりのこる映画だっ...
期待以上でした
怒りの意味
試写会にて。
そうそうたる豪華キャスト。しかも驚くのが主役がいない。誰もが主人公・主役であって脇役。そこには壮大なテーマが隠されているから…
約140分の作品だけど3つ場所のストーリーを行き来するするので長さは感じなかったです。
怒りの意味に驚愕したし妻夫木聡と綾野剛にも驚愕した。あまりにもディープすぎて…
オーディションで選ばれたという辰哉役の佐久本宝さんって人も凄い。豪華キャストの中でも引けを取らないし、広瀬すずは益々女優への階段を登ってます。こんな広瀬すずが観れるなんて思いもしなかったです。
胸が締め付けられ重くのしかかる怒りの意味。
ちなみにジャパンプレミアも当選してるので、また観れるという喜びと、この豪華キャストに会える喜びにドキドキしてます。
ひきこまれる
予備知識が全くない状態で鑑賞したので、犯人が誰かドキドキしながら見ることができました。
すごく好きな作品となりました。
愛する人を信じたいのに、信じられないことはあると思います。その究極の状態の映画というか。
重い内容ですが、私は犯人でない2人の物語に対しては光を感じました。愛せる人と過ごせる時間はかけがえの無いものだなと。
犯人。俳優さん自体二度と見たくないくらいに嫌になりました。それほど凄かった、、。
凄いしか出てこないくらい、凄い映画!
最後に泉ちゃん(広瀬すず)。
少しずつでも、強く、前向きに、そしていつか幸せな人生を歩んで欲しい。泉ちゃんのシーンで坂本龍一さんの曲を流されるとより、誰もどうにもできないという遣る瀬無い気持ちが溢れてきてつらかった。
俳優さん女優さん、全員素晴らしいです。
綾野剛さんは役によって身に纏ってる空気が違うように感じます。弱々しい表情が印象的で、帰りにウシジマくんのパネルを横目に、同じ人なんだよなとシミジミ感じておりました。
広瀬すずさん。見に行って良かった。明るい役ももちろん似合いますが、こういう役も良い。負けず嫌いで仕事に真面目、何でも挑戦しようとする彼女はどこまででも行ける気がします。これからも応援します。
見終わったときは、もう一回はいいかなと思ってたけどインタビュー等読んでたらまた見たくなった。
しんどい
信用・信頼→不信・疑念→憤り・怒り
東京八王子の住宅街で残忍な夫婦殺害事件が起こるが、犯人は1年以上も逃亡したまま。
そんな中、千葉、東京、沖縄の三か所で、逃亡犯に似た男が現れる。
周囲の人々は、おのおの、男を信用しているが、いつしか不信が募っていく・・・
というハナシで、千葉に現れるのが男に松山ケンイチ、東京は綾野剛、沖縄が森山未來である。
指名手配の顔写真は、誰にでも似ているし、似ていないようにみえる。
この三人の中に犯人がいる、というハナシか・・・と、ついつい観てしまう。
で、まぁ、実際この中のひとりが犯人なのだが、「この三人の中に犯人が・・・」という刷り込みが映画を観るのに邪魔になってしまう。
どういうことかというと、この映画、「犯人探し」のミステリーではないからだ。
ふらりと現れた男、そんな男をあることがきっかけで信用するが、殺人犯ではなかろうかという疑念から、そんな彼を信用できなくなってしまう。
そして、男を信じた自分を信じられなくなり、果たして潔白だった男を疑った自分に対して憤りを感じてしまう・・・
ひとはひとを容易く信用信頼もするが、同じように容易く疑ってしまう。
それを三つのケースで描いているわけだ。
なので、個人的には、「八王子夫婦殺害事件の犯人が、この三人の中にいない方が、より興味深いのに」と思ってしまった。
それも、中盤で、犯人はすでに警察に逮捕されているにもかかわらず、証拠がなく公表されず、それゆえに疑念が払拭できない、といった展開の方が、より人間ドラマの味わいが深くなったのではありますまいか。
いやまぁ、それだったら、カタルシスがない、腑に落ちないと思う向きもあろうかと思うけれど、とにかく、そんなことを思いながら観ていたのでした。
演技陣では、宮崎あおい・広瀬すずが素晴らしい。
エピソード的には、東京の妻夫木聡・綾野剛のものが哀しく、沖縄の広瀬すず・佐久本宝・森山未來のものが遣る瀬無い。
イデオロギーの果てに
耳を突き刺す戦闘機の轟音。
なにも共感できないし、光が見えない。
ただただ、気が滅入った。
なにも。。。
吉田さん、坂本さん、瀧さん<謙さん、あおいさん、すずさん
苦手な人よりも、好きな人達がたくさん出演してたので鑑賞した。
「パレード」の悪夢。
やっぱり駄目でした。。。残念
もうなんといっても原作
すべてが嫌です。世之介を送り出した人なのに、、
理解できない精神的疾患を抱えている犯人。
理解はできないけど
こういう人は世の中にいるのだろうけど
なのだ。
だからと言ってこの描き方が良いわけないと思う。
もちろん表現の自由なんだけど、こういうものを大衆娯楽やエンターテイメントと言ってはいけないんじゃないかなと。
ここまでくると苦手な要素がすべて悪い方向へ向かい
さらに嫌いになる
原作、音楽、演技。。。はては沖縄の描き方。
あまりにも短絡的な描写に感じた
愛することとか信じることとか、いろいろな投げかけをしてくるが
すべてが払拭されるくらいの嫌悪感がただただ残る。
八王子の奥さんの優しい笑顔が胸を締め付ける
もし自分の大切な人が。。
もし八王子の奥さんが自分の。。と考えると
必ず僕は「怒り」を発動してかたきを討ちます。
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