「他人への信頼するか、しないか」怒り dekamoさんの映画レビュー(感想・評価)
他人への信頼するか、しないか
ある夫婦の殺人事件の犯人がだれか、という提起から始まり、3つの物語とその中の3人の男のうちだれなのかを考えさせられる。ミスリードなのか本当の手掛かりなのかで揺さぶられる犯人像は、あみだくじか何かをしている気分にもなった。
犯人が特定されて、犯人ではなかった男たちの重要性はどういうところなのかを同時に考えた。犯人でない男たちからは「人を疑うな」を学ぶ、犯人からは「人を信じるな」を学ぶだろう。愛子の父に対する、娘を疑ってるだろっていう問いかけが重かった。対して、ゲイカップルはどういう収束するかと思ったら証言のみでオチてしまった。妻夫木×綾乃の画的なインパクトは十分だった。3つのほくろに関して偶然にしてはでき過ぎでは…と思う。
広瀬すずのレイプシーンには驚いた。最近の邦画の在り方の変化を感じた。「溺れるナイフ」と連日鑑賞し、小松奈々と広瀬すずは若手女優のトップだと感じた。「四月は君の嘘」の広瀬すずはしゃべり方にいら立ちを感じたが、本作では、そのしゃべり方への気持ちが彼女が痛い目にあうことで浄化されたのかもしれない。天真爛漫キャラの広瀬すずを正義としない点がよかった。これも「人を信じるな」という教訓の顛末だろう。
コメントする