「役者と映像美」怒り kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
役者と映像美
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実力派役者陣と4つの物語を同時進行させる構成で、長さを感じさせない力作。
ただ、かなり絞り込んだのだとは思うが、まだ整理しきれなかった感はある。
広瀬すずが襲われるに至る、酔っぱらい少年の彷徨が、何とも不自然。ここが本作で一番説得力がない場面だ。
森山未來の怒りの深層は見えず、ただの狂人と理解して良いのか。
綾野剛は何故働きもしないでいられたのか。
松山ケンイチはヤクザの借金取りに見つかったのか。
別件で取り調べられた男は、何故詳細に八王子事件のことを語れたのか。
訳あり登場人物が多いだけに、個々の描写は制限されてしまうのは、仕方がない。観る側の解釈に委ねる方法も良しとせねば。
結局、役者たちがすばらしいことと、彼らを引き立てる映像美が本作の特筆すべきところ。
観る価値がある作品。
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