「終わり方が良くない」怒り kerokeroさんの映画レビュー(感想・評価)
終わり方が良くない
こういう推理も若干交えた作品で最初に一番疑わしかったやつが最後に裏切ることなく犯人で安心するパターンは珍しい印象。
犯人こいつで良かった!!と思ってしまった。
それはともかくとして、終わり方がちょっと納得いかない。
途中までは三組どこも良かったんだけど……。
松ケンのところはいい。
一度疑われたとしてもそのことを特に問題にせずに、呼び戻してくれた親子のもとで一緒に頑張って暮らしていこうって思えたならあそこの親子と松ケンはハッピーエンドでしょう。
妻夫木は大切なものをうしない続けて、最後も信じてやることができないまま死に目にも会えなかった。
綾野剛も最後に交わした会話があれじゃあ寂しい……。
これじゃあ、妻夫木は一生信じてやれなかったって悩むだろうし、思い返しても単純に幸せだったとは思えない、後悔しか残らない終わり方。
ここは物語としての美しさを犠牲にしても、彼が亡くなる前にわだかまりをすべて解消して心を通わせるシーンがあっても良かった。
あるいは病気を患っているとしても死までは描かずに二人でこれからもずっと一緒に、みたいな終わり方で良かった。
広瀬すずはもっと可哀想。
彼女は多少迂闊だったけどなにも悪くないのにひどい目に遭って、原作ではどうかは知らないけれど微妙な母との関係も特に進展なし。
信じていた森山未来は実は頭がおかしい殺人犯で、そいつを友達が殺したのは自分のせい。
タツヤくん、削るならせめて内容わからなくなるまで削ってよ!!
それじゃあそれみて僕が殺しましたっていてるようなもんじゃん!!
だいたいこんだけ引っ張った正体不明の犯人がただの頭おかしいだけの殺人犯っていうのもどうなのよ。
後味が悪くて、思い返すとイライラする作品。
前半面白かっただけに残念。
それとメインの七人に名前あげられてないけど、タツヤくん役の子も主役格なんだからポスターにいれてあげればいいのに。
有名じゃないからこそ出世作としてあそこに並ばせてあげればいいのにな~って、まぁ名前も知らない役者さんなんだけど。