劇場公開日 2016年9月17日

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「キャストの名演技と脚本に感動!」怒り kenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5キャストの名演技と脚本に感動!

2016年9月29日
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泣ける

知的

以前、映画悪人を見た時にもタイトルの悪人ていったい誰が本当の悪人なんだろうか?と考えさせられましたが、今回の映画怒りもいったい誰のどんな怒りなのだろうか?と色々と考えさせられる作品でした。小説をまず読み、映画化になる話を1年以上前から楽しみにしていましたが、期待通りに豪華過ぎるキャストの名演技と脚本の素晴らしさにどんどん引き込まれていく作品でした。

タイトルの怒りの理解は、観る人がそれぞれの登場人物に自分を重ねて、共感するやり場のない怒りを感じる作品のように思いました。マイノリティーや米軍基地への世間の理解や問題は、大きな怒りの渦の中にあり簡単には解決できない現実があります。個人的には、自分の保身へ走った為、最愛の人を信じてあげられなかった自分自身の弱さ、裏切りへの怒りと後悔をこの作品で1番強く感じました。

直人の印象的なセリフで
大事なものはどんどん減ってゆくんだよって言葉が心を打ちました。
大事なものをいっぱい持つ事に蒸着しすぎると、人は物事の本質を見失ってしまい、知らない間に大切なものを失ってしまう。という事かもしれませんね。

ミスキャストもなく役者陣の演技は全て完璧。特に渡辺謙、宮崎あおい、妻夫木聡3名の名演技は絶賛ものです。

クライマックスは3つの話が速度をまし重なりあい感情が抑えきれず、ずっと涙が止まりませんでした。
坂本龍一とツーチェロズの音楽も重厚感と抑揚の高まりを良く表現していたと思います。

今、大人が観るべき日本映画の一本ではないでしょうか。

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ken