「「シン・ゴジラ」なんかより「怒り」」怒り N333さんの映画レビュー(感想・評価)
「シン・ゴジラ」なんかより「怒り」
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3つの異なる場所から展開される濃厚な人間ドラマに圧倒されました。
登場人物の誰もが実際どこかに居そうだな、と思える背景。
役者全員ちょっとした仕草や表情でダイレクトに伝わってくる秘めている感情。
スクリーンに映るその景色をオブラートに包んだり、時に感情をより浸透させる様な教授の音楽含め全部素晴らしい。
他者に対する怒り、自分に対する怒り、社会に対する怒りであるとか、何を信じて何を疑えば良いのか本当に考えさせられました。
終盤、極端に怒りの集積みたいな存在に見えてくる森山未来演じる犯人役の田中は例えば「千と千尋の神隠し」に出てくるカオナシの様にも感じた。
田中の抱えたものはあまり詳しくは語られませんが、今の世の中で実は誰もが抱える感情で、その感情の行き場が無くなると田中みたいに崩壊していってしまうんではないかと。
周りを見下す事で自我を保つなんてことは誰もが実は僅かながらも持っているんではないでしょうか。
田中が書いていた怒りの一文字の意味をモヤモヤ考えてしまう。
映画のタイプは違いますが「シン・ゴジラ」なんかで議論していた人には是非とも本作を見て欲しいなと思います。見た後よっぽどあれで議論して世間が騒いでいた事がバカらしく思えますからw
ちょっとした怒りです。
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