「ミステリーとドラマと」怒り ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーとドラマと
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感想を一言でいうなら「人を信じる難しさと危うさ」だろう。
そして、犯人の部屋一面の書きなぐり。
そのふたつを踏まえると実は途中で犯人は判る。
誰がこの映画で一番に酷い目にあうのか?
そして登場人物の誰々が、どこで犯人と思われる人物を疑うのか?
それが分かれば消去法で犯人は「あいつだ」と想像できる。そして必ず、それは的中する。
そうゆう意味ではかなり重いが、二度も楽しめる映画になってはいる。
ただ、この映画の最大の魅力はその「信じる」を三つのエピソードに散りばめて多彩さと奥行きをもって描写しているところだ。それが、ただ単一な感動ではなく共鳴しあうようになっている。
優馬の泣き顔も、愛子の笑顔も、泉の叫びも、「信じる」という変奏曲がひとつに重なる瞬間になっている。そこにこの映画の魅力があるといっても良い。
最後に欠点をいうとミステリーとしての題名としては『怒り』は正しいが、ドラマとしては『怒り』の題名はふさわしくないところか。
それだけが惜しい。
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