「「観てよかった映画」と「観てほしい映画」の違い」怒り だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
「観てよかった映画」と「観てほしい映画」の違い
真田十勇士とどっちか迷った。
が、今日は体力も精神力も
耐えられそうだったので
こっちにした。
結果、正解。
もし、残業明けの
レイトショーなんかで見たら
しばらく立ち直れないかもしれない。
それぐらい重い映画。
誰かに勧めたくなるような
そんな映画ではないかもしれない。
間違っても付き合い始めのカップルの
デートなんかにはオススメできない。
でも、本当に観てよかった。
そう思える映画。
5点満点にならなかった
−0.5は、エンディングの広瀬すずに
浜辺で叫ばせた演出。
「怒り」を表現させたのか
「再生」への決意を表現させたのか。
でも、あのシーンはもっと違う表現の方が
しっくり来るような気がする。
あれではあまりに、陳腐だ。
でも、広瀬すず、よかった。
単なるアイドル俳優ではないことが
遅ればせながらわかりました。
広瀬すずだけではなく、
ここ最近見た映画の中で
全ての主要キャストにハズレがなかった。
渡辺謙。
安定の渡辺謙。
ひなびた漁港のおっさん役にしては
オーラ全開だが(笑)
不思議ちゃんの娘を、
どこかで幸せにはなれないのかもしれない、
と、抱え込んでいる父親を見事に演じていた。
妻夫木聡。
この人の演技、大好き。
泣きそう。あ、泣いちゃうかも。
あー泣いちゃった、、、。っていう演技は
1番うまいと思います。
森山未來。
あまり知らなかった俳優さんだったけど
今作での存在感はピカイチだった。
自由奔放なバックパッカーの
向こう側に時折透けて見える
狂気を帯びた眼差し。
暴れて、乱れて、
前に垂らした前髪の奥に見えた
その眼光は、本当に背筋が寒くなった。
松山ケンイチ。
今作では、ストーリー上の
「騙し役」だったが
中盤の、「こいつかもしれない」と思わせる
渡辺謙さんとのやりとりは
すごいと思った。
綾野剛。
コンビニ帰りの坂道。
弁当が入ったコンビニ袋の
ポジションがなかなか決まらない。
こんな細かい演技は
彼だから自然に感じられたのかもしれない。
そして、宮崎あおい。
すごい。今作では群を抜いてすごい。
いつも父親を困らせる不思議ちゃん。
でも、自分の感じたことに正直で、
それをストレートに表現してしまう。
だから周りから浮いてしまう。
そんな自分を、自分でもわかりつつ、
明るく、不思議ちゃんで居続ける。
笑っているシーンも
泣いているシーンも
見つめているシーンも、
全ての宮崎あおいのシーンが
素晴らしかった。
物語序盤で
渡辺謙が宮崎あおいを電車で
「連れて帰る」
エンディングでは
今度は宮崎あおいが松山ケンイチを
「連れて帰る」
このシーンがなければ
この映画はただの報われない
映画になってたかもしれない。
大事なものが多すぎる。
大事なものは時とともに
減っていく。
心に響いた。
すべての感想に共感しましたm(_ _)m
こんなに思ってることをうまく文にできてうらやましいです。
そして、共感しすぎて、感動です。
映画を思い出して、また泣きそうになりました。素敵な感想をありがとうございます。