「続編の続編へ期待」図書館戦争 THE LAST MISSION May0uさんの映画レビュー(感想・評価)
続編の続編へ期待
個人的には待ちに待った公開で、現在で3回鑑賞。
まさにエンターテイメント。
まず、原作と映画オリジナル脚本がバラバラにならず上手くまとまっていたように感じました。
アクション、ラブコメなどを網羅したパラレルワールドですが
俗にアクションシーンと云われている今回の茨城県展水戸防衛戦は「アクション映画」ではなく「戦争映画」として捉えて観てみると、今作が伝えたいものがよく分かると思います。
図書隊は専守防衛、良化隊との検閲戦闘規定が崩壊し、危機迫る戦いを強いられる彼らの切迫感が前作を遥かに超えて表現されていました。
それはタスクフォースだけに限らず、松坂さん演じる手塚慧が榮倉さん演じる郁と食事する場面や、良化隊に問いかける会議室での場面、仁科柴崎、戦闘後の良化隊長も同様に、それぞれがそれぞれの信念でこの世を変え、何を守っていきたいのかがひしひしと伝わってきました。
見所の一つであるラブコメ。
個人的には原作等も最後まで知ってしまっているので正直物足りない感じがしてしまいました。
というのもLAST MISSIONと謳っているのなら、堂上がいつから郁を好きだったかや、郁が自分を王子様と気付いていることを知る様子まで描いて欲しかったです。
柔らかくほっとする終わり方ではありましたが、全てを知っている側としてはどうしてもその先の展開を次回に期待してしまいます。
また、堂上がデートに誘った後の二人のやりとりは原作で言えば、「くっついた途端にいきなりラブラブなんだから~」と柴崎が愚痴ってしまう、もうあの段階くらいの二人でした。
堂上が振り返って郁を待ち、並んで歩いていく姿なんかは上官の顔ではなく完全に彼氏の顔でしたw
そういう意味では「これで次作はないと想像してね」という暗示なのかもしれませんが。
ただ、堂上がどんな時も常に郁を気にかけ、女性として意識し、彼の中での守りたいものが郁であることは始めの場面(荒野のカナを取りに引き返した郁を「あのバカ」と呟くところ)から最後の場面(被弾後の書店キスシーンで郁の背中を見つめるところ)まで、終始伝わってくるものがありました。
↑余談ですが、キスシーンの書店の演出はアングルからライトの当て方等何から何まで第1作と重ねてあって素晴らしかったですね。この部分だけを考えても第1作から見ることを推奨しますw
また、郁が本を走り届けた後の表情からも、本と堂上、図書隊を愛する郁だからこその想いがじーんとしました。
榮倉さんがパンフレットでおっしゃっていましたがスローでのあのシーン「堂上教官が..」と言葉を発しているようですね。三回目よく見てみたら確かに発してました。
ラブコメ部分に関しては個人的には堂郁も手柴も最後の結婚までこのキャストで続編をやってほしいです。
この作品は本当にキャストがぴったりで仲も良く、チームワークの完璧な作品だと思います。
番宣などでも彼らが図書戦を愛してやまないことが伝わってくるので、こちらも涙を誘われますね。
岡田くんの技の数々も素晴らしくカッコイイですし、どぎまぎした感じも堂上そのもの、奈々ちゃんは誰が見ても笠原郁です。
岡田くん主演ということで若い年代層の岡田くんファンが劇場へ行く数が圧倒的に多いのかもしれませんが、
特に今回の中で社会的な部分の表現、現代に問うものを背負っていたのは手塚慧、仁科、玄田隊長辺りだと思うので、
アクションや胸キュンだけでなく彼らにも注目して見てみると二度目、三度目また違った解釈ができるかと思います。
また、今作で初めて図書戦を見る予定の方は
少なくとも第1作、ドラマSPを見てから映画館へ行かれることをオススメします。
今作からだと、堂郁エピソードは郁が王子様を卒業してからのストーリーなので堂上へ好意を持っていることへの解釈が変わってきますし、図書隊のありかたに関しては序盤に説明がありますが、正化という世界については中盤辺りまで明示されないので、順を追っていって見る方が確実に楽しいと思います。
最後に、映画館の中では3回中3回とも多くの方が声を出して笑い、微笑み、大号泣でした。
長々と書きましたが、全体的には今年イチの大満足映画です。
そして後7回を目標に映画館へ足を運びたいと思いますw
続編の続編を期待しています。