屍者の帝国のレビュー・感想・評価
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原作とは別作品
伊藤計劃の虐殺器官、ハーモニー、屍者の帝国は読みました。
屍者の帝国自体はそんなに好きではありませんが、他の2作品も映画化されますので、せっかくなので全部観ようと思いました。
原作とは別作品です。
フライデーが主人公の友人の死体…というのは原作にはありません。
なのでフライデーに魂を宿らせようとする主人公の行動はすべて映画オリジナルです。
また、登場人物の性格も原作の印象とは随分違います。(特にバーナビー)
日本あたりまではいい感じのペースでしたが、そこから先は詰め込み過ぎというか…時間配分がいまいちだったなという印象。
原作のセリフがちょいちょい無理やりねじ込まれていますが、ストーリーが大幅に変わっているので違和感を覚えました。
他の2作品も同様に原作を無視した展開になったら嫌だなぁ…。
ゾンビブーム?
伊藤計劃、知りません(陳謝) 純粋にノイタミナ保証で観覧した。
所謂ゾンビ関連が溢れている昨今ではあるが、これもその一つ。
その中に於いて、生命や意思、言葉、気持ちなどを質量に表すと21gになるそんな科学活劇アニメ、所謂SFである。
やはりゾンビをうまく演出していくにはアニメが一番しっくりくるのはそれが現実的では無いという至極尤もなことを押さえて、だからこそ、その荒唐無稽なパラレルワールドを楽しめるのもアニメの得意なところである。
『メトロポリス』という昔のSF実写映画にインスパイアされた、古いのか新しいのか混在しているメカニカルなギミックは、それ自体郷愁を誘うのはなぜだろう?! 動いてる原動力がスチームというのも産業革命の凄まじい技術革新を体現してるメタファーなのかもしれない。
一寸こそばゆいのが、やたらと器具を首の後ろ、脊髄辺りをブッスブッス差し込む、いやねじ込んでいるシーンが出てきて、これが気持ち悪いというかなんというか(苦笑)
『攻殻機動隊』原始バージョンって感じだけど、やはり直差しは痛さが伝わるというか(^^;)
演出も最後はパーッと花火が咲くような力ずくで押し切るような感じ。スペクタクルで華やかな最後の決闘シーンも、初めの我慢を続けての解放というのが狙いなのかもしれない。
色々な偉人や有名古典小説の名前が出てきて、それが微妙に関係してあるところもその背景を知ってる人が観ればもっと面白さもあるのかもしれないが、学がない者で・・・
その少々の難解さも魅力と感じたストーリーであった。
雰囲気は良かった
原作は知らない。全体的な話の流れは悪くない。日本編まではとても良かったがクライマックス辺りは無駄に話を大きくし過ぎ。
キャストについてはハダリー以外はすごく良かった。ハダリーだけは最後まで違和感が抜けず。キャラデザと声が合ってないのと機械にしてはセリフに表情がありすぎかな。
そもそもこの話にハダリーが不要。あんた魂持ってるよと言いたくなるぐらい自然に会話し、状況判断できる頭脳があるなら、何も使い勝手の悪そうな屍者なんて使わずにハダリー量産するでしょう。
すごく良いところ沢山あるのにどうも余計なものを盛り込みすぎた。
決して改悪などではない
屍者の帝国。素晴らしい出来だったと思う。
設定に変更があり、それを「改悪だ」という方もいるようだが、「フライデーを蘇らせる」という強い目的を置くことによって物語の筋がはっきりしていた。
原作の本筋は変わっていないながら、わかりやすく多少は優しくなっていたと思う。
「改悪」ではないが、決して「改善」ではない。
小説は文字ならではの表現があり、映像と音声では物足りないところもあった。さらに「2時間」という短い時間に収めなければならないため、展開が急だと感じることもあった。
しかし。それを補うだけの映像での表現のクオリティは凄まじかった。
原作を読みながら脳内で描いていた想像より遥かに壮大で、正直アニメ映画のクオリティか?と疑いたくなるくらいだった。
そしてなにより、キャスト陣である。
とにかく「フライデー」役の村瀬歩さんの叫びには鳥肌がたった。回想で出ていた生前のフライデーの落ち着いた雰囲気からは想像できないような叫び声。
また、エンドロール後の語りも非常によかった。他にも語りたいキャスト陣はいるが、長くなるので割愛する。
とにかく言いたいことはただ一つ。
みんな見てくれ!
原作ファンなら後悔はないと思うが、設定変更に不満がある方もいるだろう...
劇場版はわかりやすくなっているものの、「アニメ映画」としてみると少々難しいかもしれない。ただ、内容があまり理解できずとも面白さを感じた方がいるようなので、そういう方は是非、原作を購入していただきたい。
屍者の帝国がこの世に生まれ出てくれくれたこと。
伊藤計劃先生
円城塔先生
劇場版のスタッフとキャストの皆様
本当にありがとうございました。
絶対に劇場で
すごく楽しみにしていたので、公開初日から早起きして観てきました。
素晴らしいです。 本当に。
頭が追いつかなくなる部分もあるかもしれませんが、公式HPのキャラクター紹介等を目に通していればスムーズに観れるかと。
映像も音響もクオリティが素晴らしすぎるので、ぜひDVDでなどと言わずに劇場に行って観るのをおすすめします!
ちなみに私は原作を読まずに観ました。
それでも十分に楽しめると思います。 原作を先に読んで世界観を理解してからでも良いと思いますが、設定が少し違うようですので違う作品を観る気分になるかもしれません。
私はこれから原作を読むつもりでいます。
とにかく劇場で観てほしい作品です!
面白かった
小説を書くことを魂の再生というテーマにすり替えてはいるけれど
円城塔の伊藤計劃との関係性そのままなストーリーなのかなと思うと面白い
ジョークやウィットに欠けてずっとシリアスな展開で単調なので万人向けではないし
イギリスの古典小説をそこここに散りばめた世界観は作品背景の知識があるほど楽しめる
アニメでこんなに骨太な作品が見れるとは思わなかった
この映画に伊藤計劃の魂の一欠片でも残っていることを信じて
伊藤計劃として観るのではなく、「Project-Itoh」として観るべき
私は伊藤計劃さんの「虐殺器官」、「ハーモニー」、「The Indifference Engine」「伊藤計劃思想1・2」を読み、また円城塔さんの「道化師の蝶」、「これはペンです。」を読んでいる。それを踏まえた上での感想だ。
円城塔さんが原作中のあとがきで「僕は伊藤計劃さんではないし、伊藤計劃さんならこうするだろう、という事は全く考えずに続きを書いた。それに、伊藤さんを引き継いで書いた訳でもない」と書いている。
「The Indifference Engine」からも分かるとおり、「屍者の帝国」の序盤の30ページは伊藤計劃だ。そして、序盤後は円城塔によって伊藤計劃らしさは全くない、別物を書き上げた。
だから、この作品は円城塔による「Project Itoh」と評価したい。
映画を観て、「なんだ、伊藤計劃ってこんな感じか」という感想を持つのは早計であり、円城塔としての評価を得るべき作品だ。
なので、伊藤計劃というフィルターを通してみた映画「屍者の帝国」は全くの駄作である。前述した評価としてならば納得の作品だと思う。
一作目にして度肝抜かされました。
正直なところ、それほど期待してませんでした。
本命は「ハーモニー」だったので。
しかし、良い意味で期待裏切られました!
素晴らしい!久し振りに震えました。
気になった人は必ず映画館で観るべきです!
観ないと後悔しますよ!
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