「伊藤計劃として観るのではなく、「Project-Itoh」として観るべき」屍者の帝国 Atsさんの映画レビュー(感想・評価)
伊藤計劃として観るのではなく、「Project-Itoh」として観るべき
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私は伊藤計劃さんの「虐殺器官」、「ハーモニー」、「The Indifference Engine」「伊藤計劃思想1・2」を読み、また円城塔さんの「道化師の蝶」、「これはペンです。」を読んでいる。それを踏まえた上での感想だ。
円城塔さんが原作中のあとがきで「僕は伊藤計劃さんではないし、伊藤計劃さんならこうするだろう、という事は全く考えずに続きを書いた。それに、伊藤さんを引き継いで書いた訳でもない」と書いている。
「The Indifference Engine」からも分かるとおり、「屍者の帝国」の序盤の30ページは伊藤計劃だ。そして、序盤後は円城塔によって伊藤計劃らしさは全くない、別物を書き上げた。
だから、この作品は円城塔による「Project Itoh」と評価したい。
映画を観て、「なんだ、伊藤計劃ってこんな感じか」という感想を持つのは早計であり、円城塔としての評価を得るべき作品だ。
なので、伊藤計劃というフィルターを通してみた映画「屍者の帝国」は全くの駄作である。前述した評価としてならば納得の作品だと思う。
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