劇場公開日 2015年3月14日

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「地域や時代を越えて紡がれる、壮大な命の物語。」風に立つライオン 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0地域や時代を越えて紡がれる、壮大な命の物語。

2015年3月17日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:必死に生きようとする姿や、子供まで犠牲にする恐ろしさなど、人間の美しい部分と醜い部分がこれでもかと描写されていく。主人公の人柄にも感動。
否:切断手術など、苦手な人には不向きなシーンが多い。上映時間も長めなので、やや蛇足なシーンもあるか。

 普段日本人が実感することのない“内戦”という劣悪な環境にあって、それでも必死に生き延びようとする人々の姿や、親を殺してその子供を薬漬けにし兵士にするといった人間の恐ろしさに、これでもかと胸に迫ってくるものがあります。また、そんな現地の人々と真正面から向き合いながら、その明るい性格で人々の希望となっていく主人公の熱意にも、改めて感動させられます。そして、そんなナイロビの様子と対比するかのように描かれる、日本の離島の医療や被災地での様子など、私達にも身につまされる要素も含まれています。
 手術シーンなどが結構多いので、苦手な人には向かないかもしれませんが、目をそらしてはいけない世界の現状がそこに映し出されているのもまた事実。主題歌ともなっているさだまさしさんの曲と共に、深く考えさせれる名作と言える作品です。

映画コーディネーター・門倉カド