「アフリカよかった」風に立つライオン 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
アフリカよかった
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大沢たかおがなぜアフリカでの医療活動に熱心なのか、決して言葉で語られることはなかったのだが、そうしなくてはならない気持ちになっていて、非常にやりがいを感じていることがとてもよく伝わった。
アフリカのスケール感や時代考証がしっかり描かれていて別の時代や別の場所の物語であることに違和感がなかった。長崎でおそらく一般のおじいさんおばあさんが出演していたのもすごく味があってリアルでよかった。手足のないアフリカの人々がたくさん出ていたのも迫力があった。
ただ、物語が大沢たかおの人生スケッチというような淡々としたもので、この先一体どうなるのか?というような興味がひかれず、けっこう退屈だった。
真木よう子に送った手紙の内容がてっきり主題歌の歌詞で、これは相当感動するだろうと構えて見ていたら、たったの一文で当惑した。あれがそれほど感動的な手紙だとはとても思えなかった。死者から届いた手紙ということを含めてまず思うのは「たったこれだけ?」というのが本当のところではないだろうか。しばらくしてじわじわと心に迫る何かがあって涙が出てしまうというよう表現の方が自然なのではないだろうか。とても作為的なものを感じ、興ざめした。
アフリカが未開で野蛮な暴力で未だに混乱が続いている事を実感できる映画であった。子供の天真爛漫な映画の裏で悲しく厳しい現実がある。
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