「昔の宿題を取りに行ってきました」風に立つライオン ふじいなつめさんの映画レビュー(感想・評価)
昔の宿題を取りに行ってきました
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若い頃この歌に出合い、中々解けない宿題をもらったような気がしていました。
風の噂で映画になると聞いて、たまたま空いた時間に近所の映画館に行ったら初日でした。
歌を知っているからか、私には物語がとても腹落ちしました。最後はびっくりしましたが、本当に風になったのだと思いました。
よくある原作物のようにガッカリすることが少なかったのは、歌には行間で聞いた人が想像して楽しむ余白があり、それが聞いた人のものであることを原作者が理解しているから…そんな配慮が心地よいほど物語の余白と余韻がありました。
医療物は映画やドラマになった段階でファンタジー…そうは思いながら、人を丹念に描いたこの作品から出てきた感情はリアルでした。
航一郎の最後の手紙が暖かかった…
皆が皆のいる場所で風に立っているのかもしれません。
後で原作者がこの歌の素材となる話を聞いたのはデビュー前と知りました。
小説版には映画版の背景になる物語もあるようですね。
私の宿題はまだ道半ばみたいです。
新しい宿題も増えた事だし…
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