「アフリカの内戦」風に立つライオン asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
アフリカの内戦
実話を土台にしてるからだろうか、どことなく物語がギクシャクしている。
もっと完成度の高い物を予想していたので意外だったが
本物の人生なんてそうそう見る側に親切ではないのだ。
大沢たかお演じる医師は、実在の方だそうで
この物語のようにアフリカでお亡くなりになってるわけではなく今もご健在の様子。(この生き方こそに敬意を表したい)
アフリカに限らず、内戦の悲惨さは対外戦争の比ではない。
ほとんどが地上戦だし 住んでいた家が瓦礫の山になる。
アフリカにおける内戦はさらに容赦ない。
命の重みを忘れてしまう。
さっきまで隣に居た者が次の瞬間 血塗れになって息絶えている。
そういう彼らには 人を殺さねば我が身が生きられぬ日々がある。
彼らの思想には、残念ながら介入できない。
彼らの血を黙ってぬぐい、救える命を救い、痛みを和らげてあげる事。
これが先進国と言われる国の医師がしてあげられる唯一の事ではないだろうか。
そう思って見ると この映画が
浅く見えてくる。
中村医師でさえ亡くしてしまった今 この映画には重心が無いように見えてくる。
この主人公が、幸福にも平和ぼけ(とても良い意味で)出来る国に生まれた1人の医師の無茶な行動に見える。
大丈夫 大丈夫 そう言って 現地人すら危険に巻き込んでいる。
設定年度を数十年現代に近づけ 東日本大震災と絡めたのは欲深過ぎなのでは?
演技にもぎこちなさが見え
しょっぱなのお医者さん?
演技は未経験だろうか。
逆にみなさんに不評の長崎の五島のみなさん
とても演技が自然で上手で驚いた。
見事なものだ。
棒読みって言うけど、ああいうイントネーションが本物なのですよ九州弁は。
違和感のない方言(当たり前)で、俳優陣の方が下手に見える。