「パリ編が良かった」カフェ・ド・フロール よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
パリ編が良かった
冒頭の空港のシーンとヴァネッサ・パラディの息子がダウン症だということの関連が最後まで見えてこない。最後になって、ああそういう繋がり?といった感じ。
20世紀中葉のパリと21世紀の現代のモントリオール。どちらも最愛の存在が自分以外の存在を愛してしまうことによる苦しみを描く。
タイトルのカフェ・ド・フロールは、この二つの時空で愛されている曲のタイトル。それぞれに異なるアレンジをされているが、登場人物の生活に染み込むように存在している。
人間の欲望は、たった一つの対象によってすべて満たされることはないことを、母親が世界の全てだったダウン症の少年と、両親と若く美しい妻に囲まれて暮らすDJの男をとおして描く。
パリ編のカメラ、俳優、美術が良かった。
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