「“バッドワード”は本心の裏返し」バッドガイ 反抗期の中年男 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
“バッドワード”は本心の裏返し
難しい英単語のスペルを一字一字言い当てる“全米スペル大会”。日本で言ったら漢検みたいなものか。
本来子供の優秀さを競うこの大会に、一人大人の姿が。
40歳の中年男性、ガイ。
とにかくこのガイが最低男。
ルールの抜け目を通り抜けて、半ば強引に出場資格を獲得。
大人なのでスペルの問題は簡単に正解。
それに対し、出場子供たちの保護者たちからは非難殺到。
ガイは嫌みと皮肉たっぷりにあしらう。
さらに、出場者に強者居たら、動揺させる事を言って失格させる。
出場の一人の少年チャイタニヤと馬が合い、町でイタズラ遊び。
大人気ないと言うか、子供のまんまと言うか、困ったもの…。
そもそも、何故ガイは子供の大会に出場を?
ただ面白可笑しく騒ぎ立てて、目立ちたいだけ。
“目立ちたい”のは少なからずハズレではない。
ガイのナレーションで言う通り、大会出場はある計画である目的。
同行している女性記者がガイの意外な秘密を知る…。
邦題からはよくある未公開アメリカン・コメディと思うが、実はなかなかの感動的なヒューマン・コメディ。
湿っぽくならないのも良く、いい感じの余韻を残す。
チャイタニヤくんとの大人と子供の垣根を超えた関係にもほっこり。ま、お互い一歩も引かない喧嘩もしたけどね。
ガイの目的であるこの愚行は、ちゃんと届いたのか…?
この歳にもなって、素直になれないけど、伝えたいのが、人ってもん。
途中まで別にスペル大会でなくとも…と思ったが、“言葉”がキーな上でユニークで格好の題材。
監督・主演・プロデュースのジェイソン・ベイトマン。
よく顔や名前は見るけどあまりよく記憶に残ってなかったが、よし、これで覚えておこう。
協会がガイを失格させようと問題として出した文章より長い単語。
“フロクシノーシニヒリピリフィケイション(FLOCCINAUCINIHILIPILIFICATION)”。
調べてみると、軽蔑とか無意味な事の意。
初めて聞いた言葉と言うか、こんな言葉あるんだと言うか、一時停止して打ち込むのも一苦労(>_<)