君が生きた証のレビュー・感想・評価
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よかった
バンドの描写が本格的でよかった。
人殺しの作った歌で感動してはいけないのか、というような表現について考えさせられた。オレは作品は作品として作者がどんな人間であろうとも、楽しんだり感動したりすればいいとしか思えない。ただ、岡田斗司夫さんのように評論や自己啓発が自分の正当性を示すための手段として使われている裏が分かってしまった場合は全く楽しめなってしまう。主人公と一緒にバンドをする、若手メンバーがあまりにピュアボーイすぎるとは思ったのだが、岡田さんの問題で考えるとオレも理解できなくもないと思った。
主人公の息子はなぜあのような強行に及んでしまったのか、ほとんど描写されていなかった。素晴らしい音楽の作り手であるだけに、ピュアだったのだろう。おそらく魔が差してしまったのではないだろうか。
ラダーレスが演奏していた音楽はよかったのだが、ラストシーンで掛かって涙するほどではなかった。普通にいい、くらいでラストシーンで泣いている客を見たら気持ちとの隔たりをむしろ感じてしまった。
船で生活するのは楽しそうだった。ヨットの大会にギターを鳴らしながら突っ込んでいくのは痛快だった。
音楽の完成度。
私の中でメイシーといえば何たって「ER」のモーゲンスターン外科部長。
でっかいお目目が印象に残る名脇役として名を馳せてきた彼がまさか
今作で監督デビューとは驚いたが、内容を観て更に驚くことになった。
大まかなあらすじは読んでいたものの、思わずのけぞる後半の仕掛け。
そこまで普通に観てきた観客の予想を裏切り、深い闇の真相が広がる。
大学で起きた銃乱射事件で息子を失った父親が、息子の遺作ソングを
歌い継ぐといういわば感動物語なのだが、息子の曲に共感した若者が
バンドを組もうと言い彼らは「ラダーレス」という名でヒットを飛ばす。
息子ジョシュの作った曲はどれも完成度が高く、こちらも聴き惚れる。
それをトニー賞を獲得している俳優で弾き語りも巧いB・クラダップと、
A・イェルチンが吹き替えなしの実演で聴かせる。これが本当に巧い!
飛び入りバーのオーナーでメイシーも出ているが、何と妻F・ハフマン、
若手ではS・ゴメス、あらビックリL・フィッシュバーンまで出てくる。
もの凄い顔ぶれ。さすがの交友幅と、音楽に対する寛容性がアリアリと
感じられる秀作。と感想を〆たいところだったのに!あの真相である。
私もそうだったが、ここで子供がいる親の立場がズシンと圧し掛かる。
エリートだったサムが突然ヤサグレた理由はそういうことだったのか!?
と冒頭からの異変に納得はいくも、於かれた心境に納得がいかない。
どう受け取ればいい?どうすればいいの?と、そこからは自問自答だ。
手探りで歌っていたサムの心境は、息子とダブる若者クエンティンへの
愛情を増してゆくが、ここに大きく立ちはだかったのがモラルの問題。
それを由とするかしないかは別として、やっと息子の魂と向き合える
準備ができた父親の叫びは伝わる。ラストの弾き語りに拍手は必要ない。
(初監督でよくこんな作品が作れたものだと感服。さすが元・外科部長!)
「シックス・センス」的ひねり
王道と言える起承転結で展開します。
特に"転"は「シックス・センス」なみのインパクトがあります。"起"で違和感があったのですが、リードミスを巧みに誘っています。
ここから本気のネタばれ。
ジョシュは銃乱射事件の被害者ではなく、加害者だったのです。
ジョシュの元ガールフレンドがフェスティバル直前にバンドメンバーにこのこと告げたため、バンドは喧嘩分かれの解散。
その後はサムもクエンティンも別々の道を歩み始める。
各映画サイトの解説を観ると「銃乱射事件で亡くしてしまう」となっています。まずこれが最大のミスリードですよね。
加害者家族をテーマに扱った作品はほとんどなく、あったとしても最初からそれがわかるように予告に記されています。
この映画の最大のおもしろさはこの点だと思います。
いくつかご都合主義っぽさはありますが、目をつむれます。
もう一つの良さは音楽。とにかく演奏、歌声ともに心に響きます。
全般には良いんだけど…
雰囲気も良く出ているし、音楽も良かった。
特に主役の二人が歌が上手いだけでなくて、声や空気感がとても良いので引き込まれた。途中までは…
でもね、でもね、
ここからネタバレ
ジョシュはそんなこと出来る子じゃないでしょ?最初の雰囲気から。
絶対何かの間違いでしょ?
そこほったらかしで終わるの?
それともホントなの?
そこが釈然としないわ〜
不完全燃焼だわ〜…
ホントはどうなの?
感動しました
微妙だけど・・・
映画史の衰退を痛感します
男の友情がテーマ?ではなくて
思いがけない、辛い事実に
どう向き合えるのかがテーマかな。
子どもの死はいつも不条理だけれども
こういう死は想像もできない。
その部分は最小限の表現で、重たい気持ちを振り払うような主人公に痛々しさを感じる。
音楽で再生したかに見えるのだけれど、事実に向き合うにはまだ足りないものがたくさんありそうだ。
お墓に向かう、大学の記念碑に向かう、残された音楽に正直に向き合う…
そんなことが
若い人たちには彼らの音楽が残ったけれど、彼自身の音楽はどうしたんだろう?
死んだ息子の演奏家でいるだけでいいのかな?
音楽はサラッとしていて、良かった。
わからないことはわからない。
生きている者は、わからない死んだ人を思いながら、生きていく。
無理に理屈をくっつけていないのが良かった。
期待以上。
傑作です!
ジワジワ来る…
ストーリーは地味だけど、良い。
主人公が最初は考えないように逃げるようにしていた息子の死に向き合っていく姿、そして未完成?だった息子の最後の曲を途中から作って完成させ静かに歌い上げる姿に涙。歌詞も良かった。歌がどれも良かったな〜。
もう一度観たい
ウィリアム・H・メイシー 楽しみだ
ウィリアム・H・メイシーの初監督とあってちょっと心配だったんだけど、前評判も悪くなさそうだったので、観てみる。
よかった。とってもよかった。
銃乱射事件で息子を亡くしたやり手宣伝マンが、息子の作った曲で若者とバンドを組む、という割とわかりやすいプロットなんだが、後半に、うわぁ…という展開がある。
トントン拍子に進んでいく展開と、ポップロックが合間って、サムと同じように、息子の死を忘れて楽しく観ていた自分を恥じた。前半の予定調和な感じが、後半の展開をより印象深いものにしてくれたと思う。
二人の歌声もとても聞きやすく、ウィリアム・メイシーの監督としての手腕を見せつけられた。カメオ出演どころか割とがっつり本人が出ているところもいい。
あとサムのダメっぷりオヤジがよかった。Tシャツ裏返しに着てるとことか、なかなか細かいダメさがある。笑
話の根幹に係る情報の出し方が秀逸な作品。
特筆すべきは展開の巧さ。
話の根幹に係る情報の出し方が秀逸。
同時に明確な違和感を覚えない程度に真実の片鱗を混ぜ込むバランス感も良く。
或る時点を境に作品の印象が劇的に変化して話の深みがグッと増す。
その衝撃に驚き痺れました。
演出も良かった。
音楽がテーマの本作でキチンと音楽が格好良く描かれている。
ライブの活気、躍動感が伝わり非常に楽しい。
また時間経過の表現方法も良かった。
ライブと日常をグルグル交互に映すことで軽妙かつ手際良く時間経過を描いた手法にグッときました。
登場人物達のキャラも良かった。
特に主人公であるサムの格好良さ。
情けない姿を多々見せる彼が決めるべき所でキチンと決める。
キレたサムがギターを提げ登場した場面は思わず笑いが漏れる程にキマッてました。
話の根幹に係る情報の出し方が秀逸な本作。
死んだ息子と向き合う父、という比較的重い題材を。
誠実に扱いつつ過度に重苦しくしないバランスも良く。
鑑賞後、「良作を観た」という満足感がありました。
事前の期待値が然程高くなかったこともあり良い意味で裏切られました。
都内の公開館数は3館。
23区では安定の「新宿 シネマカリテ」「ヒューマントラストシネマ有楽町」と少ないですが。
足を運ぶ価値はあると思います。
オススメです。
すごく良かったです。
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