「愛とワインだけあればいい」彼は秘密の女ともだち だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
愛とワインだけあればいい
ロマンデュリスが大分痩せてて、最初にクラブでローラと出会うシーンで吹きそうになりました。
減量の甲斐あって、脚線美が見事でした。
クレール役の彼女は、「普通の人」である自分から未知の欲望が滲み出てくる感じと、それに怖れて暴走気味になる感じが良かったです。でもすこーしイラッとします。
濡れ場も見応えがありました。ヨーロッパ映画での濡れ場や女性の裸体の使い方は、前後と馴染むのでびっくりしなくて好きです。日本映画で言う所の「体当たりの演技」感がなく、自然に披露している感じがします。
ヴィルジニアになる為のお道具に興味津々しでした。女性らしいヒップの為のパット付きパンティなんてあるのねぇ…
乳首付きヌーブラみたいのも、あるのねぇ。腰の毛の脱毛にwax!痛そう…
クレールは右目は右手で、左目は左手でってゆってましたけど、マスカラは利き手で両目塗るのがやりやすいとおもいます!
帰ってきて左手で左目にマスカラ塗ろうとしましたけど、ブラシが目に刺さるかとおもいましたよ?
でもそれはわたしが平たい顔族だからなのか?
鼻高族は左右持ち替えた方が塗り良いのかなぁ。
クレールが一般的な倫理感になかなかに縛られているので、なんどもヴィルジニアを傷つけるのがちょっとイラッとしました。
で、そこを突破するための装置が、交通事故からの昏睡ってのはちと安易というか、ありきたりに思えて、そこは冷めました。
ポールダンサーが使った歌を、目を覚まさないヴィルジニアにクレールが歌うのはちょっと胸熱でした。くさいですけどね。
クレールのダンナのジルが、ちょっとかわいそうではありますが、どうか許してやってください。
いきなり7年後でしたが、女の姿が板についたヴィルジニアと、多分デイビッドの子を宿してるクレールと、ママ譲りのブロンドがかわいいリュシーのファミリーにほっこりしました。
彼女らがあたりまえに周囲に受け入れられあたりまえに幸せであってほしいです。
正直に言いますと、見ていて何度か違和感がありました。
それは「げっ」という類の否定の感情でした。
多分わたしのセクシュアリティと、映画で描かれるそれの乖離への拒否反応だと思います。
ヒゲの色が残る口元にルージュが引かれているのを見ると、初見はどうしても、うっと身構えるものがあるのです。認めざるを得ません。
でも、女装したいなら、それが自分が一番したい格好ならばしたらいいと思います。女装はするけど、欲望は女性に向いて、というのも本人が望むならそれでいい筈だと思います。友情と性愛との境が曖昧なのも何にも問題ないと思います。
それはこの映画を見ても見なくても、前からそう思っていたことです。
でもちょっと「げっ」と思ったのも事実です。理屈でわかっていても、咄嗟には受け入れられないのだな、まだまだ視野が狭いな、という自分のキャパシティを改めて知りました。
クレールはレズビアンなのか?あれ?旦那とすげー楽しそうにセックスしてたで?あ、ヴィルジニアが恋しいって言ってる。女性の格好ならばできそうなん?でも男性器は違うの?と、混乱し、ハッキリしろよと思いました。どっちやねん、と。
でも、ハッキリする必要ないんですよね。種類に当てはまらなくて、いいんです。ある2人が好きあった、それだけでいいはずです。
ゲイ、レズビアン、トランスセクシャル、トランスベスタイトなどなど、いろいろ「種類」はありますが、それに全員はまらないんです。多分。
人間は、言葉には分類しきれないのだと思います。言葉ではすくい取れないところがまだまだある。
役に立つかはわかりませんが、そうゆうことをわかっておきたいです。