トラップ(2014)のレビュー・感想・評価
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緊張と絶望と孤独を生き抜く男の運命は…
素晴らしい!!
いわゆるハイコンセプト作品。ほぼ全編通して同じ場所でストーリーが進行していきます。
「キャスト・アウェイ」「フォーン・ブース」「リミット」「ロスト・バケーション」「崖っぷちの男」なんかが好きな人にはぜひおすすめの映画です。
レビューの評価がとても低くてびっくりしますが、極限まで情報をしぼった中に、ぽつぽつと想像を膨らませることが出来る展開が生まれ、見終わった後には一人の男の生きざまを目に焼き付けた感慨でしばらくはじっと考えてしまいました。
映画が映し出すのは、戦争に派遣されていくフランス軍兵士(外人部隊?)が、それぞれに抱えているお国での事情、例えば社会的な孤立とか。
そんな背景を濃厚に伝えながら、どこかのイスラム圏の反政府勢力(それも劇中でははっきりとは描かれないという、巧妙な仕掛け)にゲリラ戦を仕掛けられ、それでも生き残ってしまった幸運と思いきや、地雷を踏んでいたという不運だったり。
大量のヘロインを目の当たりにして、兵士としての本分を見失い、目先の金目当てに仲間割れを起こす、人間の「業」の哀しさや。
どうやら、ヘロインを資金源とする反乱軍が、白人のジャーナリスト風な女性の人質をヘロインと同じトラックで運び、巨額の身代金を要求するであろう背景。
通信機の向こうで状況がよく呑み込めない味方の兵士は、安全な営巣からピントのずれたエールをよこす。(スポーツ観戦中で、おそらくスタジアムの歓声と、我々は独りじゃない的な歌の大合唱)
独りで立ちすくむ男は、砂漠の熱、寒さ、砂嵐、緊張からくる吐き気、身動きの取れない肉体の疲労、撃たれた腕の痛み、孤独、そして還るべき故郷には身の置き所のない絶望と闘わなければいけない。
なんという強靭な精神だろう。いや、実際に自殺も試みるが、人質の女性を救うにはそれすらも許されない。
味方の救出を信じて、地雷の上で立ち尽くすのみなのだ。こんな映画がかつてあっただろうか。
その立ち尽くす男に、次々と訪れる試練から目が離せない。
さらにエンディング。実に考え抜かれた鮮やかな幕引きだ。これ以上、何も足さなくていい。男の運命がどうなったか想像する余地が残されるし、人質の女性はおそらく助かる。
低予算でも、これほど濃密なドラマが作れるのだ。
日本映画も、見習ってほしいものだ。
豪華な出演者を、綺羅星のごとく並べる必要はない。派手なアクションも、目を見張るSFXも、町ぐるみで協力してくれるロケ地もいらないのだ。
ただ素晴らしい脚本と、それを絵に焼き付ける優秀なスタッフ、そして情熱のある俳優がそろえば、いい映画は作れるのだ。
この作品が一人でも多くの目にとまることを祈るのみである。
2017.5.7
うーむ。
予告編はかなりワクワクさせられた。
しかし、肝心の本編は正直イマイチだ。
物語にワクワクがない。ドキドキも殆どなかったといえるだろう。
まず、この物語で大切な、主人公の孤独感とか絶望感をあまり感じなかった。もっと、死ぬ寸前だと思わせるような演出があってもよかったと思う。
最後に敵兵が戻って来なければ、まだまだ生き残れそうな感じがした。
主人公にまだまだ余裕があると思う。
もっと痛め付けたら面白かったのではないか。
うーん。ストーリーは面白いが、いかしきれてないと思う。もっといろんな事件を起こしてもいいんじゃないかと思う。
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