「息をのむ心理戦…と思いきや」罪の余白 あるぱかさんの映画レビュー(感想・評価)
息をのむ心理戦…と思いきや
予告編を観て、主人公の心理学者・安藤と、その愛娘を死に追いやったクラスの冷徹な女王・木場咲によるじっくりとした心理戦を期待していました。しかし、映画の尺の長さに対して登場人物の心理的描写がかなり雑な上、安藤の心理学者らしい面が垣間見ることすらできず、全体的に期待はずれ。
また、主演の内野聖陽さんをうまく生かしきれてなかったかなぁという印象。
葵わかなさんも前半だけの登場でせっかくの素材とキャラクターがもったいないように感じました。
それでも谷村美月さん演じる小沢早苗の暗い作品に一点の光を与えるようなキャラクターは際立ってて素晴らしい。
それに木場咲をただの悪役で片付けるのではなく、もっと彼女の信念や葛藤を掘り下げられなかったのかなぁと惜しい気持ち。
結末が気になって見入ってしまいましたが、あれだけ引っ張っておきながらあっけなさすぎました…。伏線回収もないわけではないのですが、もっと息をのむ攻防と、衝撃的な結末を観せてほしかったです。
最後に一言でまとめるなら、題材や役者さんの良さに映画自体が追いついてないという感じです。
吉本実憂さんがお好きな方ならきっと、楽しめると思います。
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