「ファウンド・フッテージ形式のスリラー」悪魔の存在を証明した男 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
ファウンド・フッテージ形式のスリラー
またの名を「自撮りドキュメント」とでも言おうか。
この形式の映画は、『ブレアウィッチ・プロジェクト』にあるように、ストーリーを語るよりも、リアルさと、そこに映った不思議な映像の奇妙さに焦点が集まるので、そのものズバリが映ってしまえば、逆にチープになるという欠点がある。
タイトルにあるように、悪魔を証明するなら、映像に悪魔が映っていることを期待してしまうのだが、もし、それをしてしまうと一気に作品のクオリティが落ちてしまうだろう。
後半まで、主人公の身に起きた変化を不気味に移し続ける演出のみにとどめて、興ざめの演出を避けたことは演出の勝利と言えるだろう。
しかし、その後半に主人公の社会性と同調して、この映画のリアリティも崩壊してしまう。
ラストで妻が死んだ瞬間をなぜばらす必要があったのか理解に苦しむ。
別に、最初から隠す必要もなかったのに。
とにかく、途中までは興味津々、なにかいけないものを覗いているような気分で画面に惹きつけられた。すごく残念な作品だった。
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