「実に天晴れ!!」トイ・ストーリー4 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
実に天晴れ!!
持ち主である子どもと共に、かけがえのない時間の旅をしてきたおもちゃたち。ウッディは持ち主のため、仲間を守るという「意味」によって支えられてきた。その意味は日々の幸せな記憶(価値)といっしょくたに育ってきたものだ。
ところが、いつしか本来の価値は失われ、意味(肩書き)にのみ支配されていく。無自覚なままに。
意味と価値の逆転は私たちにも言えることだ。企業も学校も家族でも、気がついてみると、私たちか本来欲する価値よりも肩書きが重視され、あたかもそれを遂行することが自分の幸福だと洗脳されている。
だから現代の社会では、何も考えず肩書きに生きる方が堅実だしラクだ。わざわざ「価値を問いかける」「内なる声を聴く」なんてことは、「自分は迷い子になりました」と言っているようなものだ。
そこでウッディは見事に迷い子になった!
あたたかくて安心できる場所で生きるも良し、広い世界で自由に生きも良し。何にせよそれぞれが自分の内なる声に誠実に従えば良い。
「何のために生きるの?」それは他人には分からなくていいし、他人から教わることじゃない。だからラストの最大級の愛を込めた「I don’t know !」
実に天晴れな映画である。
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