「アンディの呪縛から開放されたウッディの新しい冒険」トイ・ストーリー4 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
アンディの呪縛から開放されたウッディの新しい冒険
あまりにも感動的な「トイ・ストーリー3」(2010)で、シリーズは美しく完結したと勝手に思っていた。
ピクサーの代表作は、そんな事など忘れたかのような第4作目。
もともと「トイ・ストーリー」は1996年の第1作目から、2002年(6年)、2010年(8年)と適当な間隔を取っている。今回は前作から約10年経った。1作目からは四半世紀になろうとしている。
新しい子供たちを喜ばせるのが、本シリーズの最大の使命だとしたら、オジサン、オバサンのファンなんて知ったこっちゃない。
いちおう、「トイ・ストーリー2」以来となる、かつての仲間"ボー・ピープ"がウッディと再会する。そんな繋がりもあるが、オトナのノスタルジアに付き合う必要はない。
そもそもオモチャは永遠に歳を取らないし、新作を作り続けることで、"ディズニービジネス"の優等生になっていけるはず。むしろ「ドラえもん」のように、タイトルから通番"1"~"4"を外して単発ものにすればいいのに。
アンディから、ウッディたちの新しい持ち主となった女の子ボニー。幼稚園の工作で作ったプラスチックのフォーク(先割れスプーン)でできた、"フォーキー"を家に持ち帰る。ところがフォーキーは自らを"ゴミ"だと認識し、ゴミ箱に逃げ出してしまう。
本作のテーマは、まさに少年アンディの呪縛から開放されたウッディの新しい冒険が始まると言ったらいいのだろうか・・・。とても良くできている。
観る側も、余計なノスタルジアを捨て去り、ウッディとともに新たな旅立ちをする時が来た。
ちなみにトイ・ストーリーは、積極的に2D-3D変換をして再公開したほどの、ディズニー/ピクサー3D映画の看板シリーズでもある。3D版は4Dとセットになるが、やはり本来は3D版で見るべき作品だ。
(2019/7/13/TOHOシネマズ日比谷/シネスコ/吹替翻訳:竹本浩子/字幕:石田泰子)