「アイドル映画の金字塔」幕が上がる オーエンさんの映画レビュー(感想・評価)
アイドル映画の金字塔
過去に女性アイドルグループのメンバー全員出演した映画がヒットした作品はありません。アイドルが主演してヒットした作品はあると言われるかもしれませんが、ももクロみたいに5人全員はありません。一人なら薬師丸ひろ子や原田知世、山口百恵とかたくさんありますが。ももクロメンバー5人なのでハードルが5倍高いのです。一般の映画ファンは女性アイドルグループのメンバー全員出演と聞いただけで観ないのが普通で動員数が伸びずヒットしないのです。しかも忙しいアイドルですから撮影期間も短く演技も下手(演技指導うけてないから当たり前)なので映画評論家から酷評されるのです。ももクロは現在女性アイドルグループではライブ動員数1位です。昨年は国立2日間11万人日産スタジアム2日間12万5千人(ライブビューイング含まず)1年半先のスケジュールまで決まってる多忙なももクロに映画出演させるため平田オリザのワークショップを受けさせさらに1月半スケジュール空け映画撮影したのです。彼女達の演技は映画の進行とともに上手くなっていってます。まだ成長過程なのです。演技がお遊戯会レベルかどうか5月にメンバー全員舞台に立ちますから、まずそれを観て上手か下手か判断してください。舞台は映画と違って編集ややりなおしできませんから実力が観れますよ、1か月毎日公演しますから下手だと言う人は観て再度判断してください。多くの名のある評論家や役者さんがこの映画を褒めてくれてます。高校演劇協会は全面協力してくれてます、今高校演劇は部員数が減少しているのです。この映画を観て一人でも多く演劇部に入ってほしいというのが高校演劇にかかわっている人達の願いです。この映画の良いところは無理に泣かそうとしていないところです、よくある不幸を売り物にしてお涙頂戴映画ではありません、不幸な身の上という設定を使っていません(がるるは母子家庭という設定だけど明るい家族)メンバーは中流家庭、少しお金持ち少し貧乏程度というフツーにある設定でウソくさくないのです。無理やり泣かせよう、感動させようとしていないのが素晴らしい。さらにイケメンが出てきません、今はやりの壁ドンが無いのです(志賀さんの壁ドンはありましたが爆笑でした)ジャニーズかエグザエルのイケメン出演させれば動員増えたのにあえて女子だけで青春映画作っているのです。本当にハードルが高いのでこれでお客さん観にくるのか心配でした。ネタバレしますが最後ももクロが走れを唄ってアイドルのももクロに帰っていくのが最高でした。この映画はももクロファンにはたまらなく楽しい映画です、次に高校演劇に関わっている、又は過去に関わっていた人達にも心に突き刺さるでしょう。最後に中学高校でクラブ活動に思い入れがあった人達も刺さります。一番心に響かない人達はクラブ活動に思い入れが無かった人でしょうね。