劇場公開日 2015年2月28日

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「青春活劇ではありません。でも清々しく頑張ろうと思える作品」幕が上がる 出澤隆一さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0青春活劇ではありません。でも清々しく頑張ろうと思える作品

2015年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

まず出演者が素晴らしい。主演のももいろクローバーの演技は多少のたどたどしさはあるものの、わざとらしさはなく、自然な演技ができている。映画を見ているというより、ある高校演劇部のドキュメンタリーを見ているような感覚になるのは彼女たちの功績ではないだろうか。
そして何より黒木華。公開前日の日本アカデミー賞で、最優秀助演女優賞を取っただけはあり、彼女が話し始めるだけで空気が変わる。
ムロツヨシもイライラするような使えない顧問をみごとに表現。この二人が平坦になりそうな世界観にメリハリを付けてくれた。
映画としては、青春活劇、サクセスストーリー、ももクロ主演というイメージからガヤガヤした映画を連想するかもしれないが、少し違う。
高校生が抱える葛藤、悩み、そして成長。それらを真面目に描いたリアル青春ドキュメント。と表現した方が近いかもしれない。
いつものももクロ、踊る大捜査線の本広監督、というイメージで見に行くと肩透かしを食らうかもしれない。
でも、純粋な映画として面白い。映画を見て、原作を読んで、裏話を聞いて、また映画が見たくなる。そんな珍しい映画だと思った。

出澤隆一