「青春とはなにか?を問いかける映画」幕が上がる さとるさんの映画レビュー(感想・評価)
青春とはなにか?を問いかける映画
この映画は演劇部の女の子たちの熱中時代が描かれています。
青春映画というと、若い登場人物の一瞬のきらめきを切り取ったものというイメージですが、この「幕が上がる」は、それだけに留まらず、主人公たちの未来、劇中劇、そして主演であるももクロ自身がもつ成長ストーリーが重層的に織りなす、遥か遠い人生の道程を感じさせます。
サミュエル・ウルマンという詩人の言葉にこのような一節があります。
「青春とは人生のある期間ではなく、
心の持ち方を云う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、燃える情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。」
この意味で、「幕が上がる」は、今まで誰も描けなかった、真の青春映画だと思いました。
本広監督らしいくだらないお遊びが邪魔に感じるほど、原作の力と登場人物たちの清冽さが素晴らしかった。
まだ春にもなっていませんが、おそらく今年見る映画のなかでNo1になりそうです。
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