劇場公開日 2015年2月28日

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「良質な青春映画でした」幕が上がる スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5良質な青春映画でした

2017年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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アイドル映画と言えばアイドル映画なのでしょうが、他のアイドル映画とは一線を画すような、と言うか普通に青春映画の傑作と言っても過言ではないぐらい、素晴らしい作品だったなと思いました。
正直いくら評判が良かったとは言え、そこはやはりももクロはももクロでしかないと思っていたので、まさかここまで見応えのある映画に仕上がっていたとは・・・ちょっとビックリです。
今まで特別嫌いでもなければライブに行って見るほどファンと言う訳でもなかったももクロですが、これを見た今後は今までと見る目が少し変わってきそうなぐらい、ホント映画の出来が素晴らしかったし、ももクロの魅力を最大限生かした作品だったなと思いましたよ。

それとももクロの魅力も然ることながら、本広克行×平田オリザ×喜安浩平が作り上げた世界観も本当に素晴らしかったですね、恋愛要素を一切排除して、高校演劇に打ち込む姿に終始したのも好印象でした。
まあ最初画面に映った姿はももクロでしかなかったですが、役とシンクロするように、それぞれが苦悩・葛藤しながら成長を遂げていく姿には、思わず心持っていかれましたよ、変に恋愛要素やラブコメ要素を盛り込んでいたら、きっとこうはならなかったでしょうね。
とにかく皆役としても、ももクロとしても、女優へと成長していく姿の見せ方が、本当に素晴らしい作品でした。
またそれぞれが本当に適役だった為、違和感なく等身大の演技を堪能できたのも、スッと入って行けた一つの要因だったのではないでしょうか。

それと作品の空気感を一変させた吉岡先生役の黒木華の存在感も見逃せないところでしたね。
ももクロの等身大の演技も魅力たっぷりでしたが、本物の女優の演技はまさに圧巻の一言。
イメージとしては気弱な役が多いイメージだったので、今回のような役は新鮮味もあったしホント見ていて圧倒されました、まあ元々演劇畑からの出だけに、本来はこっちが得意分野だっだのかもしれませんが。
終盤はほとんど出ていなくても存在感でそこに居るように見せる辺りは、本当に素晴らしかったです。

演劇に魅せられた者達の、思いが詰まったようなストーリー構成も、グッと来るところがありました。
どこまで追い求めても、そこには辿り着けない、けどそこに挑み続けたくなる、そんな不思議な魅力に溢れているのが演劇と言う存在なんでしょうかね。
そう言った堅い部分をほぐしてくれるような、顧問のムロツヨシ先生の箸休め的役どころもこれはこれで楽しかったですよ(笑)
それと地味に特に話には大して影響のない後輩部員役でひっそり佇んでいた吉岡里帆と芳根京子も、今となってはお宝映像かな。

スペランカー
近大さんのコメント
2017年4月25日

アイドル映画であり、ももクロが女優へとステップアップするドキュメントであり、青春映画の傑作でしたね。
先日、本作撮影中のももクロを追ったドキュメンタリー映画を見てから本作を再見したばかりで、共感する点が多々ありました。

スペランカーさんのレビューは読みやすく、度々覗かせて貰ってます。
突然失礼しました。

近大