「今、見てほしい作品」いしゃ先生 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
今、見てほしい作品
もしかしたら、この「いしゃ先生」こそ、今見るべき作品かもしれないと、僕は思う。
現代医療の恩恵を、当たり前のように考えて過ごす僕達。
新型コロナウイルス感染症の現状とは異なるが、僕は何か今に通じるものがあるように思えるのだ。
一朝一夕に、社会は現在の医療システムをを手にいれたわけではない。
これは、戦前から戦後にかけて、山間の村で働く女性医師の物語だが、近代医学への偏見、祈祷札で事足りるとする人、貧困で医療費の支払いも困難な人、女性医師への偏見など、乗り越えなくてはならないものが、そこには沢山あった。
都会や田舎、時間で程度の差こそあれ、きっと日本の至る所で、こんなことが同様にあったんだろうなと考えてしまう。
周子、いや、いしゃ先生の一番最初の患者になったよし婆が言う。
「知識がないのは金がないより怖いんだな」
その通りだと思う。
医者や医療関係者だけではなく、いつ患者になるか分からない僕達も患者達も、一定の知識を得て取り組まないと、病気を治したり、防いだりすることは容易ではないのだ。
そうすれば、外出抑制の意味も分かるはずだ。
だから、政府は自分達の都合の良し悪しに関わらず、本当のことを言わなくてはならないのではないか。
やるべき検査や医療の体制を迅速に整えるべきではないのか。
いしゃ先生の言うように、「命は平等」だ。
偏った情報や知識や解釈で、新型コロナ感染症による孤独死などあってはならない。
周子が皆に向かって言う。
「私は、凛とした百合のようになりたかったが、野に咲く小花のようで良かった」と。
今、医療現場で働く関係者は皆大変な思いだと思う。
政府は、世界最大級の予算だと言っていたが、医療の現場からは、「最低限の装備で、戦場で戦えと言われているようなものだ」との言葉が寄せられていた。
野に咲く小花どころか、焼け野原みたいな状況なのだ。
「命は平等」だ。
それは、医療関係者に対しても同じだろう。
癌の痛みを堪えて地域医療に命を捧げた、いしゃ先生の生涯を見ると胸が熱くなる。
しかし、そんな状況が今あってならないのだ。
是非、政府や、専門家会議の関係者も現場や人々の声に謙虚に耳を傾けてもらいたいと思う。
※ ところで、糸井重里や、Gackt、YOSHIKI、カズなどが政府を批判するのは良くないとか、日本のためにとか声を上げているのを聞いて、薄ら寒くなる。日本は民主主義国家だ。全体主義国家ではない。
今、外出自粛をしてるのは、一人一人の命の重さを鑑みてだ。
なにも、さすが日本と言われたいためではない。
今、政府を批判してるのは、自粛で閉店や解雇で生活するのも大変になる人を皆がなんとかしなくてはならないと感じているからだ。
面白がってなどいるはずもない。
この人達は、そんなことも分からないのか。
喜怒哀楽が揃ってこそ人間の感情なのだ。
今回の惨禍では、営業や雇用形態の違いで生活に与える影響が出る出ないの差が大きいですよね。自営で飲食業や対人サービス業をされている方への影響もいかばかりかと思います。まして大切な時期に桜を見る会ネタでコロナ審議を拒否した野党には重罰が下るべきであり、一致団結出来ない政界には情け無さ一杯。立場が変われば意見も変わりますがネットで流れる玉石混交の意見の中から自分で判断出来る人間でありたいと思います。