「相手を理解する上できっかけをどう活かすか、人見と伸行の成長物語でもある。」レインツリーの国 ななまがりさんの映画レビュー(感想・評価)
相手を理解する上できっかけをどう活かすか、人見と伸行の成長物語でもある。
しかしながら、ただでさえ、難聴者の人見と伸行の恋の行方が気になる恋愛物でもあるのだが。
鑑賞動機でもあったので、普段、難聴者について、あまり考えたことなどないだけに、生活ぶりの大変さが、興味深く拝見できた。
出逢うきっかけそのものに関して言えば、ネットだろうが、何であろうが、あまり気にはならない。
初めて会った時の満員のエレベーターの件。
二人で通行中に突き飛ばしたヤツに向かって公衆の面前で大声で怒鳴るシーンなど、自分なら・・・とツッコミを入れてしまうも、伸行が、難聴者について勉強したりして、相手をより深く理解するきっかけになるシーンでもあれば、人見も、伸行と出逢って、伸行の父に対する苦悩を知り、お互い理解し合う成長物語でもある。
彼女の前半のロングと最後のショートカット、見た目のイメージと心境の変化も見所と言えよう。
ただ、最終的には、人として、健常者だろうが、難聴者であろうが、あまり関係ない。だとすれば、本作の設定テーマを超えてしまっているかもしれないので、この辺は、賛否のあるところの本質だろう。
この映画は、わき役の演出が、今一つ。
家族は問題ないのだか、今時、国宝級と思える人見の勤務先の女子社員や、キモイおっさん。
伸行の勤務先のちょっとキモイ先輩や、人見がいかにも嫉妬心駆られそうな存在のきれいな女子社員。
原作通りなのかどうか分からないが、いかにも映画ならでは、と感じてウンザリしてしまった。
それでも、恋愛物として、それなり作ではある。
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