「顔さえ良ければ。」レインツリーの国 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
顔さえ良ければ。
「人間所詮、顔なんだよ」と寒い気持ちにならざるをえなかった一本。
主役の男女、どちらが不細工でも話が成り立たないし。
そもそも観客が観に来ないのが今の日本の現実。
そこを見ないようにして、キレイゴトにしてるのは微妙だと感じる。
主演の二人の演技が拙いのは今の邦画のご愛嬌、ラヴ・ストーリーとしては観られる。
が、この程度だったら別に障害をねたにする必要性はあったのだろうかとも感じた。
特に踏み込むわけでもなく、突っ込むわけでもなく、当たり障りなく慟哭も葛藤もなく描く健常者と障害者との恋って。
プラスにもマイナスにも障害に対する観客の心を動かさない作りなのは、果たしてどうなのだろうか。
端的に言えば、出会ったその日のうちに「態度悪すぎる!」と初対面の相手にブチ切れる主人公男が体現する「『自分可愛いがり』の幼稚さ」が全体のトーンを表しているのではないかと思う。
「上手いな」と思う台詞の言葉選びもすべて上滑り、「キミの瞳に乾杯!」と同じくらい胸に響かない。
とにかく軽薄な印象が残念極まりない作品。
世界には「耳が聞こえないのが何だ?個性だ、『個性』!」と胸を張って言う映画が今作られているのにな。
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