「イントゥ・ザ・恐怖。」イントゥ・ザ・ウッズ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
イントゥ・ザ・恐怖。
私が観た日は春休みに突入した劇場に親子連れがいっぱい。
ポップコーンを抱えた姉妹が鑑賞しながら一ミリも動かず、
凍りついてるのに苦笑い。だよね~確かにブラックだもん^^;
ディズニーアニメの有名キャラクターが登場するとはいえ、
これはブロードウェイミュージカルの映画化。内容もほぼ
オリジナルなので、特に親御さん達は気をつけた方がよろし。
喜ばせようとは思わない方が得策かも…まぁこの先、知って
おいて損なこともないけれど。ところでディズニーは、この
現実路線を貫くのかしら。王子様の価値はどんどん下がって、
女子がどんどん強くなる。まぁ美形の王子が浮気しないなど
まったく限らない話ではあるけどさ、夢もへったくれもなし。
さて…願いを叶えるべく、森へ入っていくそれぞれの主人公。
おとぎ話はそれぞれがハッピーエンドで終わったはずだけど、
人生ってのはその後もハンパなく続く。その過程で自分が
最も追い求めていた願いが見えてくる…というお話。人生論
を歌いながら説いているようなものなので、爽やかな歌唱に
天国と地獄が垣間見え、さらに森の中は常にうっそうと暗い。
ご本家舞台ではもっと人が死ぬらしいのだが、そのあたりは
ややソフトに(それでも、エ?死んじゃったの!?とたまげた)
魔女役のメリルをはじめ、主要キャストが素晴らしい歌唱を
繰り広げる。もう本当に歌だけは(爆)すっばらしい!の一言。
特にアナ、エミリー、クリスの美声と子役二人の凄い歌唱力。
舞台版をほぼ忠実に映画に持ってきたような感じがするほど
臨場感がある。映像面では名作パロディをふんだんにとり入れ、
ブラックな演出でそれを見せるという皮肉ぶりを徹底している。
全体を通してかなりシニカルな描き方をしているので、好きな
人には笑えるけど、生真面目で純粋な人(特に子供)は要注意!!
(オオカミ秒殺、巨人は抹殺、…あぁ~森のくまさん助けてぇ!)