「海が呼んでいる」モアナと伝説の海 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
海が呼んでいる
一時期の不遇が嘘のように今何をやっても上手くいくディズニー・アニメ。
最新作となる本作もこれまた良作!
ここ近年の大ヒット人気作に引けを取らないハイクオリティー、ハイレベル!
まずは映像の美しさ、素晴らしさ!
ディズニー・アニメの新作を見る度に同じ事を言ってる気もするけど、今回は南海が舞台だからかいつも以上に!
何処までも広がる青い大海原は実写と見違えるリアルさ。
雄大な海そのものが主人公の憧れの象徴で、あるシーンでは主人公の苦難、あるシーンでは幻想的。
波が生き物のように動き主人公を助けたりと、表現もユニーク。
すっかり心は南海へ奪われる。
新たなディズニー・ヒロインは、海に選ばれた少女、モアナ。
このモアナがとっても魅力的!
ラプンツェルはキュートで魅力的だったが、モアナはアグレッシブな魅力。
快活で、好奇心旺盛。
自分は本当に海に選ばれた者か自問自答しながら、勇気を奮い立たせ、困難に立ち向かう。
ボリュームある長い黒髪に肉感的なスタイルで、見た目にも魅了される。
ディズニー・ヒロインの中でも特にお気に入りになりそう。
オスカーにノミネートされた主題歌がこれまたいい!
美しいと言うより力強さを感じる曲で、モアナの海への憧れ、旅立ち、困難にぶつかった時には奮い立たせ、それらのシーンにピタリとハマる。
また、南国が舞台なので他の楽曲もリズミカルなものばかり。
さて、ストーリーは、ディズニー・アニメと言うと王子様とお姫様のミュージカル・ラブストーリーや子供騙しのファンタジーで苦手と言う人にもご安心。胸躍る冒険ストーリー!
かつて、海や島々など世界を創造した女神“テ・フィティ”。
が、その心を一人の傲慢な英雄が盗み、以来、呪いが。
呪いは強さを増し、海や島を脅かし始める。
海や島、家族や仲間を救う為、珊瑚礁を越えてはならないという掟を破り、モアナはテ・フィティの盗まれた心を戻す旅に出る…。
モアナが旅立つまでは正直ちとテンポが鈍いが、冒険に出てからはテンポも面白さも一気にアップ!
この冒険に拍車を駆けるのが、テ・フィティの心を盗んだ張本人、マウイ。
モアナは相棒にしようとするのだが、このマウイ、半神半人で、性格は筋肉自慢の俺様。(ドウェイン・ジョンソンのキャスティング、ぴったり!)
が、実は悲しい過去を抱えている。
最初はソリが合わなかったが、モアナと友情を育む。
二人の関係に恋愛感情は一切無く、一貫して固い友情と絆なのが爽快。
二人の漫才のような掛け合いも楽しい。
身体中のタトゥーはただのタトゥーではなく(笑)、魔法の釣り針で色んな動物に変身出来、アクションはお任せ!
襲いかかるココナッツ!魔物!溶岩の怪物!
アクションはダイナミックで躍動的で、ハラハラワクワク手に汗握る。
スピリチュアルな要素、モアナの行動力の源である仲間や家族への思いも巧みに絡め、王道ながら胸打つ。
ディズニー・アニメと言えば、サブキャラクター。
今回は脳ナシニワトリのヘイヘイが最高に笑わせる。
最近のディズニー・アニメが面白いのは、題材やメッセージ性。
お姫様ストーリーに姉妹愛を描いた「アナと雪の女王」、
姉妹愛の次は兄弟愛の「ベイマックス」、
ありふれた動物アニメに今のアメリカを反映させた「ズートピア」。
そして本作は、南海アドベンチャー。
勿論ただそれだけじゃなく、
恐れや困難に立ち向かう勇気。
成長。
友情。
皆を守る為のルールは大事だ。
でも、それでも守りきれない時もある。
ルールを越え、ただひたすら、仲間の為に。家族の為に。
まだ見ぬ冒険へ。まだ見ぬ世界へ。
海が呼んでいる。
試写会にて鑑賞。
上映後、舞台挨拶で、モアナの日本語吹替役の屋比久知奈(やびく・ともな)が登場。
全くの新人ながらオーディションで大役を射止めたシンデレラ沖縄ガール! 雰囲気もちょっとモアナに似てる。
しかも、会場で主題歌を生披露!写真撮影もOK!
いや~いい体験でした♪(^^)