殺されたミンジュのレビュー・感想・評価
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よく考えて判断しました
物語が始まって少しの間、なんだかやたらと登場人物と場面の切り替わりが多くて、更に似たような顔の人もいて判別出来ないなと思っていた。 姉さんに暴力ふるっていた男が他の女と外食してて自動車整備の仕事してるんだと思ったあたりで、顔が似ているんじゃなくて同じ俳優が複数役を演じていたんだと、やっと気付いた。結局はこの人が8役も演じていた。 これは何か意味があるのだろうと必死に考えたけれど、全く何も浮かばなかった。もしかしたら単に予算がなくて8役やってるのでは?とも考えた。 なぜなら、「殺されたミンジュ」のミンジュとは殺害された女性の名前で民主主義のことでもあり、脚本も書いているキム・ギドク監督は、人に言われるがまま自分で考えることをしなくなった韓国は民主主義が死にかけていると話したけれど、自分で考えることと民主主義は関係ないだろと思えて仕方ないからだ。 自分で考え判断しなくなったことは教育の問題であり、考えなくても民主主義を象徴する多数決には参加できる。監督の考える民主主義はなんか違うんじゃないのか? こんな状態では到底、監督の表現したいことなど読み解けるはずもなかった。 本当はそれなりに面白く観ることはできたけど、私を悩ませた8役が不快だったことと、監督に対して「この人何言ってんだ?」と疑問に思ったので、自分でよくよく考えて星一つをつける事にする。 そういうことだろ?監督さん。
/*利権を盾に資本主義のヒエラルキーのトップにいるクズの大きな溝*/
映画ではなかったが、言わんとしている事はわかった。 わかってからわかったのだが、映画でない方が伝わると思う。 映画の意味がなく、すべてが安っぽく、演出も陳腐であった。 キムギドクはわかっていたと思う。 陳腐な映像を伝える手段にしていたと思うが、間違った方法をとっている。ワイドショーとかマスメディアで十分なのではないだろうか。
キム・ギドクのテーマ性が前面に出た映画
全体に物語はシンプルで製作側の当時の韓国のありように深い絶望と怒りがそのままあの物語になっただけと言うのが感想。映画としは、正直今一つ盛り上がりに欠ける感は否めない。ただキム・ギドクの持つ独特の闇とそこに向かう哀愁なようなものはさすがである。この一作でギドクの映のを他に見ないとしたら大変惜しい。是非全体の中でこの映画を定義づけて欲しいと切に願うものである。
暴力的ボランティア活動
事件の概要は不問のまま何となく想像は出来る、被害者も加害者も善も悪も全てが胸糞悪い、そんな嫌ぁな感じがまんまキム・ギドクって感じ。 訴えたい、伝えたい事が薄ぼんやりと、何処か説教じみた感覚、女性の扱いや暴力描写と貧富の差など、素直に納得ができない全体的なキム・ギドク演出の数々。 高知東生みたいなのが何役も至る所に登場する場面に戸惑ってしまう、一瞬ギャグなのかと、いや、あれはギャグだな、笑う箇所だな!? 愚かだからこそ人間は愚かな動物として理不尽であれ正当であれ振われる暴力こそが正しくも虚しくも弱肉強食な世界、モラルも関係無い最低な世界。
よっ!マ・ドンソク
二番目に拉致されたイセは直後に自殺。最初に拉致された男オ・ヒョンは、その後も拉致し続けられる者たちを尾行して、謎の集団の秘密を探ろうとする。
かなり深い内容。謎の集団のリーダーは、憤りや怒りを持ってる者をネットで集め、女子高生ミンジュの復讐をしているようにも思える。リーダーの行為は絶対であり、電気ショックだったり手を金槌で叩いたりといった拷問に逆らうことさえ許されない。しかし、一人ずつ受ける拷問に対して徐々に離反していくのだ。6人目は超大物。偽物の銃で脅されても屈しない、軍の将軍だったのだ。そんな彼を、リーダーだけが持っていた本物の銃で撃ち殺してしまう・・・
鬱屈した心を正すには命令に従わせるしかないといったストーリーで、それはミンジュ殺しも謎の集団も変わりはない。下手をすれば北朝鮮の絶対君主制とも変わらないのだ。
結局は女子高生殺しの理由も実行内容もわからないまま。写真からすると、女子高生はリーダーの妹あたりの身内だということだけだ。完全なる縦社会の批判。怒りを感じていても何もできない若者たちの在り方を問うているような気もする。
ラストは、最初に拷問したオ・ヒョンが実行犯7番目の男を女子高生と同じ手口で窒息させ、謎の集団のリーダーを撲殺する・・・
スッキリはしないが
「民主主義の死」を寓話的に描いた作品。 冒頭で殺されるミンジュと、キム・ヨンが一人8役を演じた“独裁者たち”は鏡像関係になってるのかな? 最初は「なぜミンジュは殺されたのか」が物語の推進力になっているけど、中盤あたりでミンジュは物語のキッカケとなるマクガフィンだったことが分かる構成も良かった。
コントみたいなコスプレ
娘を殺された父親が容疑者たちを拉致して拷問するの繰返すが、底辺の生活を送る仲間は次第に自分のすることに疑問を持ちやめていく。 容疑者達の言い分は、上の命令は絶対でどんなに理不尽なことも断れない空気が恐怖を感じた。 何か画面が映画っぽくなく絵面もアングルもありきたりで再現ドラマを見ているようだった。 一人が何役もやっていたのは予算の都合?それとも寓話的に仕上げるためか。 あれだけ様々な拷問があるなら大ボスはガムテープぐるぐる巻きで窒息死なんて生ぬるいものじゃなくて、もっと苦しませて殺してほしかった。
☆☆☆★★ 【毒をもって毒を制す】 いつもの様にキム・ギドク節炸裂...
☆☆☆★★ 【毒をもって毒を制す】 いつもの様にキム・ギドク節炸裂。暴力に対抗しうる最大の武器は、やはり暴力なのだろうか?それを自制する心が人間にはあるのか?本当の暴力とは何か?キム・ギドクが観客に問い掛ける。 終盤で将軍が「俺がライギョになってやる」と挑発する。 映画では併せ鏡の様な存在の二人に、最後は鉄拳制裁を与える結果になる。それを遂行するのは現場の言わば《作業員》。だがその前にある人物が、リーダーの前に現れていた。 1人8役らしいのだが(7役まで気が付いた)同一人物がこの映画の鍵を握っている。 このリーダーの住家に現れる2役は、暴力と平和との対比として。 隊の中に唯一存在する女のDV彼氏は、日常に蔓延る暴力の象徴として。 アメリカ留学の経験がある男隊員の兄は、言葉の暴力の象徴であり。取り立て屋として弱い人間に対しての暴力。 レストラン勤めの男隊員と、若い女性に対してセクハラ紛いの行為をする男は。客と店員:男と女と言った立場を利用する暴力の象徴として描かれている様に見受けられる。 隊員達の意見は割れ、次第に秩序は崩壊する。以下は私がこの作品を観ての一方的な感想ですが。一見すると暴力の連鎖の恐ろしさや、虚しさを扱っている様に見えるのだが。実はある程度の暴力が存在するからこそ、社会には秩序が保たれている…と描かれている様にも感じた。 極論になるが、死刑制度の有無や功罪にまで、話が及んでいる可能性すら秘めている作品とも言えまいか。 (2016年1月23日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター2)
現代韓国を憂う観念的な映画
WOWOWはR15+仕様に。拷問シーンがもっとエグいってことなのか?DV男とのセックスシーンがもっと生々しかったのか? 1人8役でやる意味がイマイチよく分からない。 学歴社会、それでも若者が望み通りの職に就けない。一度職を失えば二度と復活出来ず善悪の前に黙って上の言う事だけを聞くロボットと化す人生。 着るもので人格まで変わってしまう。 マドンソク出ずっぱりなので彼堪能する分にはいい。 説明不足で物語を把握しづらい。事件の裏に潜んでいた闇?も別にあきらかにならない。 集団型タクシードライバー
何が何だか借りなきゃヨカッタ
タイトル、全く内容とずれていて、観させようとしてのネーミングだろうが止めてクレとイイタカッタです。 同じ俳優が何役もやったり、おかしな所でエロが有ったり 滅茶苦茶。監督の頭の闇を、好き勝手に落書きした感じで、わけが分からない。気持ち悪いのひとこと。
ドジョウとライギョ
復讐と格差社会への一種のメッセージが含まれている。もしかしたら復讐は始まりにすぎないのかも… ドジョウとライギョに例えられ、ドジョウは泥の中で生息してるし、一方ライギョは同じドジョウ科でも空気呼吸ができるので水面に口を出して空気を取り入れることができる。 上に上がることができるライギョと一生泥の中のドジョウ… 人に命令できる人間と底辺にいる人間… なんとも言えない後味の悪さが残る。 キム・ヨンミンが何役もやっているので無限に続くループようにも感じました。 ※えげつない描写満載です(韓国映画なので)
この不条理と矛盾は誰が晴らすのか
一人の女子高生ミンジュが殺された。誰に知られる事も無く。 1年後、殺人の容疑者たちが謎の武装集団に拉致監禁、制裁を加えられる…。 鬼才、キム・キドクならではの不条理バイオレンスが炸裂。 水責め、ハンマーで指を潰し、釘の付いたバットで頭部を殴打、全身に高圧電流…。 これぞ韓国バイオレンス!…と言うべき衝撃作だが、正直言うと、ちょっと期待してたものと違った。 殺されたミンジュと武装集団の一捻りある関係性、その謎が徐々に明かされる壮絶な復讐劇と思っていたのだが、“殺されたミンジュ”事件はきっかけに過ぎず、根はもっと深く。(後から知ったけど、原題と邦題は全然違う) 格差社会、貧困…韓国現代社会の暗部を抉る。 まんまと罪から逃れる容疑者らやデカイ態度でのさばる奴らの不快さ。 底の底で喘ぎ苦しむ人々の声は誰にも届かない。 自分たちの声を聞け。 自分たちの苦しみを知れ。 自分たちの哀しみを知れ。 が、その為の手段、暴力による報復は、負の連鎖でしかない。 制裁は度が過ぎ、いつしか加害者が被害者に、武装集団のリーダーの異常なまでの行動に遂には仲間内で…。 暴力の不条理、社会の矛盾、何が善で何が悪か、人間の本性…。 キム・キドクの訴えは深く、痛い。
内容はわかる。しかし、邦題が大失敗。
これは完全に邦題名を間違えてしまっている。 「殺されたミンジュ」では、キム・ギドクが何を言いたいのかわからなくなってしまう。 邦題なんか作らず「ONE ON ONE 일대일」でよかったはず。容疑者たちを1人また1人と拉致していきながら、最後に何も残らない・・・。 まぁ、これがキム・ギドクなんだけど。
韓国そのもの?
題名とチラシのマスク男と何もかもがチグハグで一体どんな作品かと思いきや… 韓国社会そのまんまな作品…?権力と弱者となんやかや。人生最大の危機にせまられながらいつでも誰でもいばり騒ぎまくるって、日本じゃありえない美学。
生きてるヤツが強い
正義とか悪とか、誰が決めるんだ? マジメに生きてるサラリーマンも上からの命令で悪事を働いている。 結局は強い者が勝つのよ。生き残った者が強いのよ。 殺されたミンジュが可哀想だった。 もっとミンジュをいたぶって殺して欲しかったけどな。。。 映画としては、普通かな。DVDで十分だ。
正義なの?制裁なの?
韓国で見た。 キム・ギドク作品だからある程度覚悟していたが、かなり残虐だった。正義とは一体何なのか? 正義の鉄槌なのか?単なるリンチなのか? 1人何役も演じる意味が分からない。 「嘆きのピエタ」で受けた感動はこの映画にはなかった。
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