殺されたミンジュ
劇場公開日 2016年1月16日
解説
「嘆きのピエタ」「メビウス」の鬼才キム・ギドクが、少女殺人事件を発端とする暴力の連鎖をスリリングに描いたサスペンス。5月のある晩、ソウル市内の市場で女子高生ミンジュが屈強な男たちに殺害された。しかし事件は誰にも知られないまま闇に葬り去られてしまう。それから1年後、事件に関わった7人の容疑者のうちの1人が、謎の武装集団に拉致される。武装集団は容疑者を拷問して自白を強要。その後も武装集団は変装を繰り返しながら、容疑者たちを1人また1人と拉致していく。そして容疑者たちの証言により、事件の裏に潜んでいた闇が徐々に浮かび上がっていく。謎の集団のリーダー役に「悪いやつら」のマ・ドンソク。「ファイ 悪魔に育てられた少年」のキム・ヨンミンが1人8役に挑んだ。
2014年製作/122分/R18+/韓国
原題:One on One
配給:キングレコード、太秦
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2021年2月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
事件の概要は不問のまま何となく想像は出来る、被害者も加害者も善も悪も全てが胸糞悪い、そんな嫌ぁな感じがまんまキム・ギドクって感じ。
訴えたい、伝えたい事が薄ぼんやりと、何処か説教じみた感覚、女性の扱いや暴力描写と貧富の差など、素直に納得ができない全体的なキム・ギドク演出の数々。
高知東生みたいなのが何役も至る所に登場する場面に戸惑ってしまう、一瞬ギャグなのかと、いや、あれはギャグだな、笑う箇所だな!?
愚かだからこそ人間は愚かな動物として理不尽であれ正当であれ振われる暴力こそが正しくも虚しくも弱肉強食な世界、モラルも関係無い最低な世界。
2020年10月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
圧迫するキム・ヨンミン演じる8役と虐げられる者たちの関係にフォーカスしたら、分かりにくいキム・ギドクが理解出来た。
2020年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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二番目に拉致されたイセは直後に自殺。最初に拉致された男オ・ヒョンは、その後も拉致し続けられる者たちを尾行して、謎の集団の秘密を探ろうとする。
かなり深い内容。謎の集団のリーダーは、憤りや怒りを持ってる者をネットで集め、女子高生ミンジュの復讐をしているようにも思える。リーダーの行為は絶対であり、電気ショックだったり手を金槌で叩いたりといった拷問に逆らうことさえ許されない。しかし、一人ずつ受ける拷問に対して徐々に離反していくのだ。6人目は超大物。偽物の銃で脅されても屈しない、軍の将軍だったのだ。そんな彼を、リーダーだけが持っていた本物の銃で撃ち殺してしまう・・・
鬱屈した心を正すには命令に従わせるしかないといったストーリーで、それはミンジュ殺しも謎の集団も変わりはない。下手をすれば北朝鮮の絶対君主制とも変わらないのだ。
結局は女子高生殺しの理由も実行内容もわからないまま。写真からすると、女子高生はリーダーの妹あたりの身内だということだけだ。完全なる縦社会の批判。怒りを感じていても何もできない若者たちの在り方を問うているような気もする。
ラストは、最初に拷問したオ・ヒョンが実行犯7番目の男を女子高生と同じ手口で窒息させ、謎の集団のリーダーを撲殺する・・・
2019年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
「民主主義の死」を寓話的に描いた作品。
冒頭で殺されるミンジュと、キム・ヨンが一人8役を演じた“独裁者たち”は鏡像関係になってるのかな?
最初は「なぜミンジュは殺されたのか」が物語の推進力になっているけど、中盤あたりでミンジュは物語のキッカケとなるマクガフィンだったことが分かる構成も良かった。
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