「震災とオカルト」SHARING フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
震災とオカルト
3.11と心理学の研究をしていく内に白昼夢と悪夢の世界に落ちていく話
自分には難解な映画だった。
かなり実験的で映像も役者も低予算感がありありと出ているものの、物語全体ににじみ出る不穏な気配や不気味な雰囲気は凄く良かった。
主人公の研究はかなり興味深い、強烈なストレスで予知夢や幻想を見るようになる、オカルト好きの自分としてはかなりグッと来た。
災害前後では怖い話や不思議な話が頻繁に出ることは聞いたことがある。
自分がこの映画を見た時に思い出した話は震災と関係ないのだが、明治に年号が変わり一気に文化が発展した時、既存の文化や概念が一変した。
当時を生きた人々は全く馴染みのない西洋文化の侵入で驚きと焦り、知らない物への不安でかなりのストレスがかかったそうな。
そんな時、町中で妖怪が出ただの、幽霊を見ただのと言う噂が全国各地で起きたのたそうだ。
西洋文化に押され日本古来の妖怪が逃げ出したと捉えるのも面白いし、当時の人々の不安がそう言った幻覚を見せたのかも知れない。
本作は妖怪は出てこないが、死者の幻覚が見えたり、予知夢、白昼夢など不思議な出来事が頻発する。
何度も夢落ち展開が続いてしまい段々深く考えるのを放棄してしまったが不気味で不穏な雰囲気を楽しむには抜群の作品だと思う。
福島の原発問題にも触れている様だが自分はあまり何が言いたいのかわからなかった。
舞台がほぼ大学の構内なので、低予算で映画を撮ろうと思っている人達にはいい教材になるのではないだろうか。
不満な点としては夢落ち連発もだが、結構最初の方のシーンで窓に撮影隊(録音係)の人影が写ってしまったのは作品としてどうなのかと思った。長めワンカットだったので取り直しができなかったのかも知れないが・・・
劇中セリフより
特になし