SHARINGのレビュー・感想・評価
全13件を表示
夢から覚めるシーンがくどい
社会心理学者の瑛子と大学で演劇をしてる薫はどちらも3・11の夢をみて悩まされている。
えっ、と思う事が起きるとそれは夢で、夢から覚めてまたハッとすると夢で・・・の繰り返しがくどい。
ありそうな話だから入り込めそうだったが、夢のシーンが多すぎて嫌になる。
驚くシーンがあるたびに夢じゃガッカリするだけ。もっと違った脚本にしてほしい。
不思議な世界観。篠崎監督作品初ですが、このホラー感があるのが立教テ...
不思議な世界観。篠崎監督作品初ですが、このホラー感があるのが立教テイストなのかななんて勝手ながら思っていた。夢が現実か、多すぎて分からなくなるが眠らず最後まで見れた。
3.11、迷宮、廊下を響く靴音
昨年見逃した1本。いや、見逃していて損をした。
3.11という題材を、少し離れたところで経験したであろう多くの人に巣食う不安というかどうにもならないもやもやを大学の中で、しかも巧みなホラー演出で描く怪作。不安と緊張の連続は只者ではない。
もっと海外で評価されるべき。
震災とオカルト
3.11と心理学の研究をしていく内に白昼夢と悪夢の世界に落ちていく話
自分には難解な映画だった。
かなり実験的で映像も役者も低予算感がありありと出ているものの、物語全体ににじみ出る不穏な気配や不気味な雰囲気は凄く良かった。
主人公の研究はかなり興味深い、強烈なストレスで予知夢や幻想を見るようになる、オカルト好きの自分としてはかなりグッと来た。
災害前後では怖い話や不思議な話が頻繁に出ることは聞いたことがある。
自分がこの映画を見た時に思い出した話は震災と関係ないのだが、明治に年号が変わり一気に文化が発展した時、既存の文化や概念が一変した。
当時を生きた人々は全く馴染みのない西洋文化の侵入で驚きと焦り、知らない物への不安でかなりのストレスがかかったそうな。
そんな時、町中で妖怪が出ただの、幽霊を見ただのと言う噂が全国各地で起きたのたそうだ。
西洋文化に押され日本古来の妖怪が逃げ出したと捉えるのも面白いし、当時の人々の不安がそう言った幻覚を見せたのかも知れない。
本作は妖怪は出てこないが、死者の幻覚が見えたり、予知夢、白昼夢など不思議な出来事が頻発する。
何度も夢落ち展開が続いてしまい段々深く考えるのを放棄してしまったが不気味で不穏な雰囲気を楽しむには抜群の作品だと思う。
福島の原発問題にも触れている様だが自分はあまり何が言いたいのかわからなかった。
舞台がほぼ大学の構内なので、低予算で映画を撮ろうと思っている人達にはいい教材になるのではないだろうか。
不満な点としては夢落ち連発もだが、結構最初の方のシーンで窓に撮影隊(録音係)の人影が写ってしまったのは作品としてどうなのかと思った。長めワンカットだったので取り直しができなかったのかも知れないが・・・
劇中セリフより
特になし
箱根組木細工な“夢”
映画『インセプション』での、ストーリー展開や構成は、“夢”のエクセル関数入れ籠構造のそれであった。変数を含めた関数は、その参照セルの値が変わるとガラリと影響が変わる。只、それを映画でやっていたら収拾が付かないので、最初の答えに対してその変数を後から変えることで、結果を別方向に導くという展開でまるでタイムマシーンの如く、興味を引くプロットに仕上がっていた。
本作は似ているようで、しかしクローズアップの撮影手法を多用することでより主観的な演出で観客に訴える。構造自体は入れ籠なのだが、関数の中の入れ籠がマトリョーシカの如く奥深く潜る訳ではなく、ところかしこに散りばめられているような感覚である。その構造故、大胆なカットや、急激な場面展開、どこからが夢で現なのかが、その激しいスイッチングによって、観客を不安に陥れる。
だが、これはストーリーの後半。前半は、本当に冗長が続き、酷く睡魔に襲われる。飽きというより、それ自体、演出なんじゃないかと思わせる程の進行だ。たまに起こるその夢からのスイッチングの音効や場面展開によって、叩き起されるのだが(苦笑)
そしてロケは殆ど、立教大学の校内。多分、この場所を選択することがこの映画を残念なチープさを醸し出しているのかもしれない。大学校内での撮影は、学生映画のそれを連想させる。決して悪くはないそのストーリー構成や世界観の斬新さが、その場所の安易な選択によって台無しになってしまうように思われる。
もっとブラッシュアップすれば、邦画としての可能性をより強く印象づけ、邦画としての未来への希望を抱かしてくれるのだが・・・ハリウッドに対しても“がっぷりよつ”に対峙できる貴重なジャンルだけに、もっと可能性を魅せて欲しいと願うばかりだ。
そんな突っ込み処満載な映画な程、愛おしくなるのも又面白い。
紛れもなくホラー
早く映画が終わらないかなあと思いながら観ていた。
何かをチクチク、チクチク突かれ続ける居心地の悪さ。
感情を経験をシェアできるのだという傲慢さを突かれるからか。
いや、そういったシェアからは逃げたいという気持ちを突かれるか。
映画ごときに取り込まれないぞと高をくくって観ているのだが、気付くと「不安」をシェアしている。
紛れもなくホラー。
—
大学の心理学部が舞台。
人の「不安」とは何かを解きほぐすのが心理学だが、解きほぐした筈の不安をもう一回シェイクする。その執拗さが真摯な映画だったなあと思う。
これは夢か
ロングバージョンを見ました。
夢と現実、虚構と真実、意識と無意識が交錯し、今自分が見ているのは何かいるのはどこなのかめまいがするような体験でした。3.11の映像が出てくるわけではありませんが、その記憶が生々しく思い起こさずにはいられない。いや現実に、我々はまだ悪夢の中にいるのかもしれない。
もっといろんなところで上映して、多くの人に見てもらいたい作品です。
キヌヲ
大学、構造、夢、亡霊。立教大学って冒頭に出るのだけれど、それが全てのような。30年間大学の研究室であえて嘘くさい実態のないイズムとか突き詰めると、構造というか、リズムというか、編集が残るっていう。今更東浩紀に解説して欲しい。
全13件を表示