「【“只、僕の話を聞いて欲しかった・・。”幼き頃に母が目前で自死した青年の心の闇と再生を求む姿を天才、グザヴィエ・ドランが演じた作品。】」エレファント・ソング NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“只、僕の話を聞いて欲しかった・・。”幼き頃に母が目前で自死した青年の心の闇と再生を求む姿を天才、グザヴィエ・ドランが演じた作品。】
■美しい青年・マイケル(グザヴィエ・ドラン)は、14歳の時にオペラ歌手の母が目の前で自殺し、それから現在まで精神病院に入院している。
ある日、彼の担当医ローレンスが失踪した。
院長のグリーンは、マイケルに事情を聞こうとする。
だが、彼は話をする代わりに条件をつける。
◆感想
・美しい青年・マイケルの精神病患者を装って、精神病院で暮らす姿はどう見ても精神病患者ではない。彼はそれを装っているのである、
但し、彼は自身の母が実の前で自死した事による大きなるトラウマを抱えている。
・彼は主治医のローレンスとの性的関係を匂わせ、事実ローレンスは病院からいなくなる。
ー この辺りは真相を知ると、”思わせぶりだな”と思うのであるが、それを補うグザヴィエ・ドランの新たなる担当医、グリーンへの挑発まがいの行動、言動を観てチャラにする。
グザヴィエ・ドランは若くして製作した諸作品でカンヌで異例の若さで幾つかの賞を受賞している。
だが、今作を観てもこの方の演技力は凄いと思う。
天は二物を与えるのである。-
<彼が最後に禁断の実の入ったチョコを口にし、絶命するシーン。
元々、彼は母を失った時点で、生きる気はなかったのであろう。
スッキリした気分には成れないが、今作は俳優としてのグザヴィエ・ドランを堪能できる作品である。>
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