「人間は生まれながらにして死への欲望へ向かう」エレファント・ソング Kremlin Dawnさんの映画レビュー(感想・評価)
人間は生まれながらにして死への欲望へ向かう
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グザヴィエ・ドラン出演作は『神のゆらぎ』『胸騒ぎの恋人』に続いて3作目。その中では一番好きなタイプの作品だった。ただ基本的に院長室(?)での会話のシーンがメインのため、やや退屈に感じた。精神病患者の話と聞いて、フロイトの存在を思い出さずにはいられなかった。彼は人間は生まれながらにして死への欲望を抱いていると言い、私自身それは潜在的なものでしかないと思うのだけど、この映画ではマイケルがずっとその欲望に蓋をして、誰にも悟られないように院長や師長を翻弄していたのだろうと解釈した。カルテを読まないと条件を出すことで、最後にナッツ入りチョコを食べ、アレルギーで死ぬ…という流れはとても気に入りました。マイケルは自らの欲望を守り通したんだなぁと。ただ、他のレビュアーも書いているように、マイケルが精神病患者というよりはわがままな子供のようだという印象は確かにあった。見ていて苛立ちを覚えそうになる会話のやり取りも、彼自身の振る舞いも、精神病患者と言われるとそうではないような・・・という感じは否めない。
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