「15分を過ぎれば」BUMP OF CHICKEN “WILLPOLIS 2014” 劇場版 あにぃさんの映画レビュー(感想・評価)
15分を過ぎれば
BUMPの商売形態の変容に追い付けていない人間が観に行ったが、さすが番場さんとBUMPだと言える作品だった。
トークショーと共に拝見させていただいたのもあって、今の今まで変容に追い付けていなかった心を宥めてくれるような、「BUMP OF CHICKENの根本は不変である」とアッサリ感じさせてくれるものと言えた。観客を多く映す形態は、以前からさほど好ましく思ってはいないが、BUMPと番場さんの作品であったからこそ、そして「WILLPOLIS」に込められた思いを考えれば、観客を映すごとに彼ららしさをより一層感じることができたので、プラス評価とした。(これが番場さん監督でない作品で、観客だらけの映像であれば評価を違えたかもしれない)
ただ、まあ開始15分のCG映像。これについては、現地で観た時も感じたことであるが、甚だチープな作品だと思う。キャラクターデザインについては独創的で、雰囲気もBUMPの好みそうなデザインとなっており、メビウスの素晴らしさを感じることができた。
しかし、CGに関してはモーションキャプチャーを使ってここまで角ばってしまうのか、という思い。そして表情の乏しさ、思わずスクリーンの枠や照明に目が行ってしまうほど退屈な長さ。全くもって好ましいものではなかった。
BUMPのライブ会場で初めて、「なんだこれは」と明らかな負の感情を抱いた瞬間となったのは、この映像が流れて俳優陣の棒読みが始まった時であった。「今から台詞を言うぞ」という息遣い、感情の読み取れない声。それをカバーすることもないCG映像。グッドラックの謎のドラマの時のような、長ったらしく起承転結に乏しいストーリー。俳優陣や山崎監督がBUMPファンであることは承知の上であるが、BGMがなければ到底耐えられるものではなかった。
アーティストの劇場版というものに対しての激しい抵抗がなくなるきっかけとなった作品ではあったが、もし次の機会もあるとするならば、山崎監督には少し控えめな演出をしていただきたく思う。
あまり大幅なマイナス評価にはしたくなかったため、この部分において0.5のマイナス評価を付けた。