「最初から最後まで楽しめました」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) SHさんの映画レビュー(感想・評価)
最初から最後まで楽しめました
ほぼワンカットという聞くとどうしてもソクーロフの「エルミタージュ幻想」を浮かべてしまうので、敢えてこれと比較するが、手法も主旨も全く違うので単純比較はできないのだけれど、完成度や大衆性においてはバードマンの方が格段に上であるのは間違いない。
すごく分かりやすいお話だから、いつの間にか長回し的手法のことも忘れてしまう。
もしかしたら別に長回しじゃなくてもいいんじゃないの?と思う人もいるかもしれないけど、その手法をもエンターテインメントとして提示して楽しませてくれている作品であるような気がする。
切れ目なく続いている映像でありながら時間も空間も自在に展開していき、飽きることなく、久々にエンドロールが終わるまで席に座っていた。
アントニオ・サンチェスのドラムの効果も絶大で、それ故に最後の最後まで楽しめた気がする。それ加え、マーラーやラフマニノフなどあらゆる音楽が流れてきて、それが個人的にこの映画の評価を上げている要因になっている。
ただし、もうこの映画は見なくてもいいかなと思っている。最高に楽しませてくれた優れた作品であることは間違いないが、自分には1度見れば十分な映画であった。
ちなみに、「エルミタージュ幻想」はDVDを購入して何度となく鑑賞している。
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