「奇を衒った映画」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) Λibo.uryyy0さんの映画レビュー(感想・評価)
奇を衒った映画
観る人を選ぶ映画なのかなと思ったしそもそも面白くない。登場人物達の喧騒や俗っぽい台詞や激しい感情等々ガルシア・マルケスの小説っぽい雰囲気あるような。ストーリー自体は結構シンプルで良いとは思うが心の声が多いのが冷める。こんな隠喩的な表現があまり好きじゃなく、せめてもっと少ないほうが私的には印象に残ったかも。超能力的な妄想表現も同じく。ちょっと絞って欲しい。本作の長回しには映像としての魅力感じなかった。意義あるからやってるんだろうが観てて疲れる。長回しでカメラの移動がゲームみたいで若干酔った。全体的にくどい印象だが長回しで更にクドさ増してる。もっとささやかさにして欲しい。もっと簡明に普通に作ればいいのに。
以上のように不快な部分が多くて台詞もあんま頭に入ってこない。街中パンイチはキートンだと全然面白くないからノートンにやって欲しかった。ラストで主人公解き放たれた感じだが見事に感動しない。それまでが過剰だったせいで。
私の好みとは真逆の映画。独自感狙いすぎなのがいやらしいし、その事によって物語が面白くなってれば全然いいが面白くないのだ。だからいやらしさのみ目立つ。アカデミー賞は信用できない。米ショー・ビジネス業界人やその界隈に興味あれば楽しいのかもという皮肉や挑発が込められたような内輪的なつまらない台詞。あの主人公に自己投影したり共感する人生歩んできた人なら当然感動はするのかもだが、普通に面白さ見出すのは困難な気が若干するなんか特殊な映画。
奇を衒ってる感じがするのが嫌だ。万人受けしない独特な作品は割と好きだが、そこにあざとさ感じてしまうと無理。そのへん紙一重なんだろう。この映画もっと普通に作れば面白くなりそう。ストーリーの根幹はちょっと良いとは思えた。しかし映画のタイトル、エンドロール前半、ドラムのみの劇中音楽、こういう部分すらあざとく感じて鬱陶しい。要するにセンス合わない。アイデアや発想は良いかもだが表しすぎ詰めすぎだから観る気が失せる。足せば良くなるという訳ではないのを実感。とはいえ次は吹替版も一応観てみる予定。
2023/02 VOD